2014/08/27

「杖道×アート」vs.「動体×動体WS」ふたつの流れ

中村理恵子です。
今日は前期のまとめと後期の予定を紹介しましょう。

 身体表現ワークショップ「杖道とアート―作動する賢い身体―」では、毎回、杖道(じょうどう)を稽古しながら、そこから得られたいくつかのエッセンス、 対話性、型(形、パターン)、これらを頭の片隅において、杖をカメラに持ち替え(ウェアラブルカメラや一眼レフ、流行りのタイプラプスカメラなど)、撮ることと撮られることの斬りむすぶ運動を写真に写し込むワークショップに向かいました。洗練された身体の動きを体感しながら、古武道とアートをつなぐ方法を模索していきます。

 ともあれ、メンバーは、ステージ上で思い思いに体を動かしてみます。東京経済大学のスタジオやメディア工房には豊かな環境と機材が揃っています。これらのリソースを存分に使い倒しながら!いっぽう、わたしは愚直に「杖道×アート」の道を進みます。
 このふたつの流れは、いずれ必然的に出会い、混ざり合います。
 9月17日(木)開講の表現と批評「マジが起動するワークショップデザイン」(2014年Ⅱ期)に引き継がれていきます。どうぞご期待ください!

【光る杖の軌跡「杖道×アート2014」】
 尖兵となる試みとして、中村による愚直なまでに杖道に特化した作品制作です。杖の上下にLEDを仕込んで絵筆とした直球の「光る杖の軌跡」です。
 詳しくは http://rieko.jp/lab/?p=3389

 ▼光る杖の軌跡「杖道×アート2014」最新作 
 http://youtu.be/QrA8bY8FroQ


【プレ 光る杖の軌跡「動体×動体ワークショップ2014」】
 2014年、前期「身体表現ワークショップ」の締めは、動体×動体ワークショップのリハーサルと本番です。履修メンバー個々人のテーマさがし、動きの模索が進行しました。熱い興味とともに手も身体もよく動きました。そこから4つの動画作品とたくさんの静止画作品が生まれました。
 詳しくは http://rieko.jp/lab/?p=3269

 ▼動きを遊ぶ:リハーサル風景をスローモーション、タイムラムスで記録したもの
 http://youtu.be/0X50cgmDCVY

 ▼本番!作品
 wizarding http://youtu.be/xQEkXgNU29g
 music http://youtu.be/bNp0Z_NVUmo
 baseball http://youtu.be/ID3tQJcz5ek
 2014SpaceOdyssey http://youtu.be/_nMAkxN6Aas

【カメラを遊ぶ、動きを遊ぶ:WEBギャラリー】
 詳しくは http://rieko.jp/lab/?p=4776

 ▼光と動きで対話した作品群(静止画)




















※さて次回の予告です。毎週木曜日3限、メディア制作ワークショップでは、課題「わたしの時間造形」について水面下(メンバー限定エリア)に成果があふれてきました。こちらも手八丁、口八丁の受講メンバーによるワークショップが進行中です。前期を踏まえた後期への助走として公開する予定でいます。

2014/08/24

西垣先生の本で受験勉強

「代ゼミジャーナル」630号にこんな記事が載りました。

西垣通教授、2014年度入試現代文頻出著者4位

さて、それらの試験問題で、ご本人が正解に達するでしょうか。

コミ部 Q&A(その4)コースの変更

今日はオープンキャンパスの3回目。

個別相談コーナーで、以下のような質問を受けました。

「来年度入学者からコース制で学ぶとのことですが、途中でコースを変えたくなったら変更できますか?」

同じように思った人もいるのではないでしょうか。さっそくお答えします。

各コースの履修科目はコースで履修すべき内容に重なる部分があるため、2コースの両方に配当されている科目があります(上図)。さらに、他コースにしかない科目も履修できるようにしました。例えば、グローバルコースに所属しても、企業コースにしかない授業が取れます(単位として認められます)。こうして、コースを変えることなく、他コースの授業を取ることで、あなたの希望はかなえられます。それまで取った単位も無駄になりません。なお、単位は不要、ということであれば、大半の科目は聴講できるはずです。

2014/08/22

23、24と週末はオープンキャンパス

8月23/24日(土/日)

 デジタルパンフレット→
 タイムスケジュール→

▼時間
9:30 受付開始
10:00~15:00

▼主なプログラム
1. 総合ガイダンス(10:00〜10:40)4号館
 各学部のセールスポイント、体験授業の見どころをお話しします。

2. 個別相談・資料配布(10:30〜15:00)6号館7階 大会議室

3. 学部説明会(11:00〜11:30)5号館2階 E202
 コミュニケーション学部の理念と特徴、来年度から始まる新しいカリキュラム、コミュニケーション学を学ぶ意義について、川浦康至(コミュニケーション学部長)が紹介します。

4. 体験授業(11:40〜12:20)5号館2階 E202
 8/23 関沢英彦*「コミュニケーションは楽しい−アイデア・発想・広告」
 私たちは、自分の頭の中で、言葉やイメージを使って、コミュニケーションをします。それが発想。そして、どうしたら人に伝わるかを考えます。広告をテーマに「コミュニケーションの楽しさ」を感じて下さい。社会でイキイキ活躍する実力がつくコミ部です。

 *関沢英彦(1946年、東京都生まれ)
 「広告論」や「生活者発想とコミュニケーション」を担当。博報堂でコピーライターとして活躍、博報堂生活総合研究所を経て、東京経済大学コミュニケーション学部教授。博報堂生活総合研究所顧問・エグゼクティブフェロー、博報堂DYメディアパートナーズメディア環境研究所客員研究員。主著に『生活という速度―歩く。見る。変わる。』新宿書房、『いまどきネットだけじゃ、隣と同じ! 「調べる力」』明日香出版社。

 8/24 松永智子**「高校野球はいかにして『夏の風物詩』になったのか?:歴史から考えるメディア社会」
 「夏といえば高校野球」。私たちはいつからそうイメージするようになったのでしょう。新聞社が主催し、放送局によって中継される高校野球は、メディアの発展とともに社会に浸透していきました。その歴史を読み解くことで、メディアが作る「みんなの記憶」の仕組みに迫ります。

 **松永智子(1985年 福岡県生まれ)
 専門分野はメディア論、国際コミュニケーション、言語政策。本年4月から東京経済大学コミュニケーション学部専任講師。「出版メディアにおける『武士道』と『1Q84』のあいだ」佐藤卓己ほか編『ソフト・パワーのメディア文化政策』新曜社、「『ニューズウィーク日本版』―論壇は国際化の夢を見る」佐藤卓己ほか編『日本の論壇雑誌: 教養メディアの盛衰』。

5. 留学プログラム説明(12:30〜、13:20〜)5号館2階 E204
 各30分

みなさんのお越しをお待ちしています。

2014/08/06

いわば学部の憲法

来年度からの新カリキュラム、そして学部設立20年を目前に見直しました。
わたしたちの思いが共有できればと願っています。

・学部の理念・目的・教育目標(改訂)
http://www.tku.ac.jp/department/communication/idea/

・入学者受入方針(改訂)
http://www.tku.ac.jp/exam/admission-policy/adp-com.html
※求む!勉強したい人、好奇心旺盛な人

・学位授与方針と教育課程方針(改訂)
http://www.tku.ac.jp/tku/founder/diploma/communication.html

東経大コミュニケーション学部は2015年度、3コース制になります。
  • メディアとコミュニケーションを学ぶ>メディアコース
  • 広告と広報を学ぶ>企業コース
  • 異文化と英語を学ぶ>グローバルコース

今回、新たに学部長メッセージを掲載しました。
http://www.tku.ac.jp/department/communication/message/

被爆者の語りを英訳する

今日、8/6は広島に原爆が落とされた日。
8/9、長崎にも。

草野ハベル清子先生が、長崎の被爆者のメッセージを英訳するという活動をされています。

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コミ部英語の草野です。

 私はこの数年間長崎で原爆にあった人たちの語りの英訳をしています。5年ほど前に朝日新聞に広島長崎の被爆者のお話を英訳する人たちを募る記事が出ていました。すぐにやりたいと思いました。

 私は長崎市鳴滝町出身で、叔父、祖母(父方)などの親戚が被害に会っています。母は父が戦地に行ってしまい、私の兄と実家(大村市)で祖母(母方)と叔母と一緒に住むために長崎を離れていました。離れていると言っても直線距離で20kmほどです。

 小さい時から母と叔母から「ピカドン」のことは聞かされていました。彼女らの兄(私の叔父)が爆心地の浦上で被爆し、歩いて大村の家まで1週間かけて帰宅、それからの治療のことを聞きました。そして結局、白血病で私が6歳の時に亡くなりました。

 父方の母は家の前で浦上の方を向いていた眼を失明しました。それから親戚は祖母のことを「めーのばーちゃん」と呼んだそうです。母たちは20km離れていましたが、ピカッと閃光が走り、爆風を感じ、家のガラスが触ると熱かったと言います。近所の人々もみんな外に出て、「長崎ばい。見らんね。あの変か雲ば!」と、原子雲を外で見ていたのでした。

 母はその雲がどんどん大きく、上に伸びて行き、真っ赤になったと私に教えました。それから毎日彼女らは海軍病院があった大村の駅に送り込まれた死体を一つずつむしろをひっくり返して、自分たちの兄(爆心地にいた)ではないかと調べに行ったとのことです。でも母は「女か男かも分からんやった。足の裏にはたくさんガラスの破片が入り込んどった」と、どうしようもなかったと言いました。

 その母も亡くなり、叔母も今は老人ホームです。被爆者一世たちは高齢になっています。直接話が聞ける時間がなくなっていると思いました。

 私は自分になにかできないかといつも思っていました。学生たちや友人たちに話したこともあります。と、思っていたところに朝日新聞の募集があったのです。

 すぐに応募し、長崎弁が分かり、土地勘があるし、土地の名前などもすぐに分かるから、長崎の被爆者の語りの訳をやりたいと申し出ました。

 日本語を英語に私が訳し、アメリカ人の夫がその英語をチェックします。クロスチェックと言って、他の方の英訳をお互いにチェックし直すこともします。朝日新聞からは自分たちが訳したものの権利はすべて放棄し、すべての著作権は朝日新聞にあるという条件付きでした。もちろん私は文句ありません。英語だけですが、日本の外の人たちがそれを読めるという事は私にとってとても意味があることです。

 朝日新聞は第2課題として「ナガサキノート」というものも出しました。それも被爆者の語りです。これは日本語の本にもなっています。

 余談ですが、この3月に長崎に帰省した際も原爆資料館、その屋上にある(訳したので知っていた)新しくできた二人の少女の像などを見て回り、ふと、この像ができるようにした語り部に会いたいと思いました。でも友人や家族との約束がいっぱいでできませんでした。そして後になって、その語り部がこの4月に亡くなったと新聞で知りました。あー、会っておけばよかった。

 でも、少なくとも彼の語りは英語になっています。

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 Memories of Hiroshima and Nagasaki -- Messages from Hibakusha
http://www.asahi.com/hibakusha/english/

 Special Thanks:List of Contributing Volunteers
http://www.asahi.com/hibakusha/english/thanks/

 草野先生が書かれた記事と松添博さんの語り(朝日新聞)
http://www.asahi.com/hibakusha/english/shimen/nagasakinote/note01-02e.html(英語)
 日本語版は以下です。
http://www.asahi.com/hibakusha/shimen/nagasakinote/note01-02.html

 松添博さんの書かれた絵本(1992年刊)
ふりそでの少女』汐文社
※あいにく在庫はないようです。

松添博さんは、4月、83歳で亡くなられました。