2015年11月1日日曜日

【学問のミカタ】偶然の出会いを求めて

 からだが溶けてしまうほどの猛暑が去ると、急に寒くなってしまい、近頃は以前のような日本の四季を感じなくなったような気がします。それでも、暦には季節を感じさせる祝日があり、さまざまな行事やイベントがおこなわれています。

 秋はいろいろなことばで修飾されます。

 スポーツの秋、読書の秋、食欲の秋、芸術の秋、行楽の秋など、みなさんはどのような秋を過ごすでしょうか。スポーツの秋ということで10月は運動会シーズンです。週末の朝に号砲が鳴るのを聞くと、秋だなぁと思います。

「文化の日」がある11月のテーマは「文化祭」です。

 多くの学校で文化祭がおこなわれることでしょう(ちなみに東京経済大学の大学祭は葵祭(あおいさい)と呼ばれ、今年度は10月30日から今日までです)。毎年、多くの種類の催し物があるので、足を運んでみてはいかがでしょうか。

 自分が高校生だった時は文化祭で英語劇を演じました。

 1年生の時に英語部の劇を見たのが入部したきっかけでした。そこでの先輩や後輩との交流は私の財産です。高校時代の経験では、大学の英語の授業で劇を発表する時にとても役立ちました(演劇の好きなアメリカ人の先生で、『セールスマンの死』や『欲望という名の電車』を読みました)
 思いがけない、ちょっとしたきっかけが、その後の道を左右することがあります。文化祭や大学祭に出かけて、刺激を受けてみるのも楽しいかもしれません。

 演劇の場合、人に見てもらうことが前提となります。音楽、ダンス、漫談、スポーツなども観客の存在、そしてその反応が重要です。パフォーマンスに対して、観客は拍手や歓声、声援で応えます。一般的様式とは異なりますが、ここに一種のコミュニケーションを見ることができます。パフォーマンスを楽しめたら、それを相手に示すという意思表示が見られます。そうした反応をもらえたら、演じた人はとてもうれしいことでしょう。

 大学の授業にもそれに似た面があります。講義主体の授業では学生の直接の声を聴くことがむずかしい場合もあります。そうした場合、授業の終わりに感想などを書いてもらいます(リアクションペーパーと言います)。そこで、自分の思いをことばにすることが大切で、それはリアルな対話にもつながります。

 演劇と文化祭という形で話をしたので、それをテーマにした映画とマンガを紹介して終わりにしましょう。まずは映画『櫻の園(1990年)。女子高の演劇部の話で、厳密には文化祭での上演ではなく創立記念日での上演なのですが、高校生の心の動きが描かれています。これには同名の原作があって、作者は吉田秋生さんです。若い人には映画化された『海街diary』の作者だと言ったほうがいいかもしれません。

 武富健治さんの『鈴木先生』はドラマ化・映画化されたので、ご存知の方もいることでしょう。この中では、中学校の文化祭における演劇が取り上げられています。こうした作品に寄り道して、何かを触発されるのもいいかもしれません(私自身、『鈴木先生』は学生に勧められ、その面白さを知りました)

 以上、「現代言語学」「英語学概論」担当の中村嗣郎でした。

[おまけ]
 次の中で「秋」の季語ではない語はどれでしょうか(答えは最後に)

A.1.柿  2.栗  3.梨  4.みかん  5.桃

B.1.伊勢海老  2.鮭  3.秋刀魚(サンマ)  4.ブドウ  5.マツタケ

C.1.鶯(ウグイス)  2.コスモス  3.鈴虫  4.月  5.紅葉

D.1.稲妻  2.稲刈  3.運動会  4.茶摘み  5.墓参り

[答え]
A.4.みかん 冬の季語。もはやこたつでみかんを食べる光景は少ないか。
B.1.伊勢海老 新年の季語。正月料理を豪華に飾る縁起もの。
C.1.(ウグイス) 春の季語。春の訪れを告げてくれる。
D.4.茶摘み 春の季語。「夏も近づく八十八夜」がヒント。

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