2016年4月1日金曜日

コミュニケーション学部で「脳のバージョンアップ」

コミュニケーション学部長 関沢英彦


 新入生の皆さん、国分寺の丘の上で、深呼吸をしましたか。「ああ、大学生になった」という実感がわいたでしょう。東経大は、あまり規模が大きくないので、温かい雰囲気があります。面倒見もいい。あなたの可能性を高めることがきっとできる大学です。

 そして、コミュニケーション学部(トケコミ)には、あなたの創造性を高める授業が揃っています。もちろん、知的な分析力も卒業時には、ぐんと高まっているはず。

 昨年2015年、コミュニケーション学部は設立20周年を祝いました。

 1995年といえば、インターネットが日本に本格的に普及した時期。それから、20年前の1975年には、初めてテレビ広告費が新聞広告費を上回りました。そして、また、20年さかのぼった1955年、テレビ放送は始まって2年しか経過していませんでした。メディアといえば、新聞、雑誌、ラジオの時代だったのです。

 印刷メディアから、テレビへ、そして、インターネットへと時代は変化しています。インターネットも、ウェブサイトやメールの機能に加えて、いまでは、SNSやソーシャルメディアと呼ばれる分野が大きく成長しました。

 1995年を起点として、情報通信産業は他の産業よりも高い成長率で伸びてきました。現在、GDPに占める割合も主な産業の中で、高い比重を占めています。

 考えてみれば、当たり前です。あなたが手にしているスマホ、それを軸にして、社会も経済も動くようになりました。夜、ベッドに入ってから、ネット通販で何かを買うといったシーンも当たり前になったのです。

 そしていま、IoT (Internet of Things) という新しい動きが始まっています。人や組織だけでなく、モノも、情報のネットワークの中に組み込まれていくのです。となると、モノとして高品質にするだけでなく、他のモノとの関係をどう構築するかが重要になっていく。あなたの学ぶコミュニケーション学は、モノとモノ、モノと人との関係性を設計する、いいかえれば、コミュニケーションネットワークのデザインをすることにも関わっていくことになるのです。

 コミュニケーションが、ビジネスの中心になる。そういう時代変化が、どんどん進んでいます。コミュニケーション学を学ぼうと思ったあなたは、将来の仕事選びという点でも、賢い選択をしたといえるのです。

 さて、コミュニケーションは、言葉を軸に行われます。日本語、そして、英語に代表される外国語によって、私たちは、日本や世界中の他者と関係を結ぶことができるのです。絵、写真、映像などの非言語的コミュニケーションも大切になってきました。6号館の地下に行ってご覧なさい。メディア工房で、今日も制作活動をしている先輩や仲間を見つけるでしょう。

 現代社会においては、知識の蓄積と、分析力だけでは不十分になってきたのです。情報内容をうまくデザインして、自らの意図を表現していく力が求められます。コミュニケーション学部は、そうした分析と表現の両面を訓練できる場です。だから、コミュニケーション学部は、4年次に、卒業論文か卒業制作を全員が提出することになっています。論文でも、制作でもいいということと、全員が提出して合格点をとらないと卒業できないという点がコミュニケーション学部の特長です。

ースで学ぶ

 コミュニケーション学部では、2年次から3つのコースに分かれて学習します。コースによって、卒業に必要な履修科目が異なるので注意をしてください。

(1)メディアコース
 テレビや新聞などのマスメディアと、インターネットや携帯電話などの新たなメディア(ソーシャルメディア)を「メディアコミュニケーション」として統合的に扱い、仕事や日常生活で求められる知識と技能を広く学びます。

(2)企業コース
 企業のコミュニケーション活動や企業経営、さらにメディア環境や人々の意識に関する勉学を通じて「戦略的に考える力」を養います。企業の広報・広告担当者に求められる知識と技能を広く学びます。

(3)グローバルコース
 文化の「固有性と多様性」に対する理解を深め、合わせてコミュニケーション・ツールとしての英語を学びます。グローバル化の進む現代社会で求められる知識と技能の獲得をめざします。

 そのほか、コースを超えたPRプロフェッショナルプログラムグローバルキャリアプログラム英語アドバンストプログラムなどの選抜制プログラムもあります。ぜひ、あなたの可能性を高めるために受講を検討してみたらいかがですか。詳細はプログラムごとに確認してください。

 またコミュニケーション学部では、教員資格も取れることはご存じですね。中学校の社会と英語、高校の地理歴史と公民、英語、情報です。資格取得には早めの対応が欠かせません。関心のある人は早いうちから相談してください。

ークショップ、演習、卒業研究

 コミュニケーション学部の教育を特徴づけているのが「ワークショップ」「演習」「卒業研究」です。ワークショップは体験重視、実践重視の授業で、少ない人数で行われます。多彩なゲストが講師として参加されるのも魅力といえるでしょう。ワークショップは、調査系、表現系、言語系の3つに分かれ、各系のもとに多様な科目を数科目ずつ設けています。

 演習は通称「ゼミ」と呼ばれ、最大でも十数人という規模の授業です。受講できるのは2年次以降で、大半の学生が、3年次まで継続して取っています。ゼミの内容は先生によって異なりますので、シラバスで確認してください。秋には「ゼミ発表会」を行います。ゼミ生が発表しますので、参加することで、より具体的なゼミ情報が得られるはずです。

 コミュニケーション学部は、講義とともにワークショップ科目やゼミなど、少人数で学びます。調べて発表をする。みんなで企画を立てる。映像を作り出す。いずれも、大変ですが、とても楽しいはず。コミュニケーション学部の学生は、「楽しそうだね」といわれることが多いようです。ただ、それは、ラクであることは意味しません。自分でアイデアを生み出し、カタチにしていくことは、心がワクワクしますが、同時にツライことでもあります。

 卒業研究(論文・制作)は、先にも述べたように必修科目です。優秀な論文や作品には、それを表彰する制度もあるので、4年間の成果の目標にもなります。

の20年に向けて

  コミュニケーション学部は、いま、次の20年へと進化を始めています。これからの20年、どのようにメディアは変わっていくと思いますか。あらゆるものにセンサーがついて、それをコンピュータが読み取って、データをあなたに示してくれるでしょう(いいことか、悪いことかは別にして)。ロボットも、ごく普通に活躍するようになります。

 野村総研(2015年12月)予測では、2025年から2035年には、日本で働いている人の仕事の49%は、人工知能(AI)やロボットで代替可能になるとのことです。

 ということは、人間にしかできないことは何かを真剣に考える必要があります。まず、コミュニケーションをする相手への「想像力」。これは、もっとも機械にとって苦手なことです。あらゆる仕事において、人々が何を思い、何を望んでいるかという感受性が求められます。とくに口に出したことだけでなく、相手も無意識にしか感じていないことを「察知」することが大切です。

 スマホですべて情報を得られるからと、うつむいてばかりいてはいけません。顔を上げて、あなたのまわりにいる「生身の人間」をしっかりと見てください。感じてください。そうしないと、あなたは、コンピュータに負けてしまう。

 コミュニケーション学部は、異文化のなかにいる人とのコミュニケーション、メディアのあり方を批判的に感じ取れる力、そして、何よりも、他者への共感する心を持つことを求めます。それは、あなたが20年後、サバイバルするためにも必要なのです。

 授業の履修プランを立てるということは、あなたの「脳を設計」することでもあります。どういうカタチにバージョンアップしますか。この国分寺の丘の上が、あなたの人生にジャンプ力を与えてくれることを願っています。

※ 2016年度(新入生向け)履修要項の巻頭言を一部変更しています。


【参考】1995年に関する本


川浦康至

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