2016年7月9日土曜日

「30歳の自分」から考えるキャリア

「キャリア開発論」担当の小山健太です。

 授業では、キャリア心理学のさまざまな理論を学習します。でも、そもそも「キャリア」とは何でしょうか。よく聞く言葉ですが、その定義を考え始めると何だかモヤモヤしますね。「キャリア開発論」の授業では、さまざまな研究者の定義を複数紹介したうえで、次のように説明しています。
キャリアとは、(1)個人の生涯(過去・現在・未来)にわたるもの、(2)仕事に関連して認知・意味づけするもの、(3)自分らしさの発揮・自己成長が含意されるもの。

 つまり、キャリア心理学というのは難しい本の中だけの話ではなく、本来は、私たち誰もが経験している、とても身近なものです。でも、大学生がキャリア論を学習するときには、1つの難しさがあります。それは、学生は仕事経験がなく、もしくはあってもアルバイトなど非常に限定的なものであるため、キャリアを身近なものとして考えづらいことです。

 そこで、6月28日の授業では、ソニー生命保険株式会社にご協力いただき、『ライフプランニング授業〜30歳の自分を考えよう〜』を実施しました。ソニー生命のライフプランニング授業は、経済産業省第4回キャリア教育アワード最優秀賞(経済産業大臣賞)を受賞しています。

 ライフプランニング授業の特徴は、お金という観点からシミュレーションしながら、キャリアを具体的に考えられることです。

 今回は4人家族を例にシミュレーションしました。家族構成は、会社員の東経太郎さん(30歳)、専業主婦の東経花子さん(30歳)と、まなぶ君(1歳)、あかりちゃん(0歳)です。

 ライフプランのいくつかの項目は、学生の意見で決めていきます。今回の設定は「教育費」は2人の子どもがともに私立大学(文系)に進学、「住まい」は国分寺に戸建てを購入、「自動車」はファミリータイプを購入、「家族旅行」は毎年の国内旅行ということになりました。

 そして……、シミュレーション結果は、なんと生涯で大幅な赤字に!! そこで、さまざまな見直しをしていきます。妻が仕事をしたり、旅行に行く回数を減らすと、収支を大きく改善することができました。

 最後に、講師の濱﨑氏から、人生を計画することの重要性と同時に、夢を持ち続けることの大切さについてお話しいただきました。

「お金のために働く」ということでは息苦しすぎます。でも、お金のことを考えずにキャリアをつくっていくこともできません。お金という観点から現実的・客観的にキャリアを考えることで初めて、有限な資源をもとに自分らしいキャリアを創造していくことができるのだと思います。

 学生からは以下のような感想があり、自分のこととしてキャリアを考えるキッカケになったように思います。その具体的なイメージをもとに、キャリア心理学の諸理論について、より一層理解を深めていってほしいと思います。
「自分の将来について、今までは何となくしか考えていませんでしたが、今日の授業で具体的に想像がつきました」
「人生にはいろいろな選択肢があり、どれを選ぶかによって必要なお金も異なり、それによって人生は大きく左右されるので、その選択はしっかりしないといけないと思いました」
「自分の親もさまざまなことを考えたうえで、選択をし、私を大学に出してくれたと思うと感謝の気持ちでいっぱいになった」
「持ち家」か「借家」か、学生の意見をもとにシミュレーション

ソニー生命保険株式会社の濱﨑祐一氏

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