2018/01/20

大学外での教員の仕事

この度,コミ部で学部長を務める柴内さんが電通総研のフェローに就任することが発表されましたMarkeZineニュース)

以下,電通ニュースリリースからの抜粋です.
http://www.dentsu.co.jp/news/release/2017/1220-009417.html
株式会社電通(本社:東京都港区、社長:山本 敏博)の社内シンクタンク電通総研(所長:丸岡 吉人)は、2018年1月から「よい社会づくりに貢献するために、コミュニケーションとマーケティングの領域で安全な議論の場を提供すること」を新しいミッションとして掲げ、船出いたします。
新生「電通総研」は、客観的な正解がない現代社会の問題を解決するには、関係者が集まって状況を理解し、課題を共有した上で議論を尽くす必要があるものの、今はそのような場が不足していると考えました。 
そこで、社内メンバーおよび外部の有識者計15名を電通総研フェローとして選任し、彼らによる自由闊達な意見交換の場を設定することで、社会が抱える諸問題の解決に貢献していくことを目指します。議論の成果は、フェロー自身による情報発信や提言、実践に反映されるほか、電通総研主催のシンポジウムなどを通して公表していく予定です。

その柴内さんに内容を説明してもらいましょうではどうぞ→

柴内です。大学教員の主な仕事は教育と各自の研究、そして大学の運営ですが、関連する仕事を大学の外ですることもあります。私の場合は講師や委員など、専門でしている研究に関係し、また自分の大学、とりわけ学生の教育に役に立ちそうなものについて依頼をいただいた場合、時間が許すようならお引き受けすることにしています。

今回は、広告代理店の電通の中にある研究機関(シンクタンク)の議論に、外部から参加する依頼をお引き受けしました。

この電通総研は30年ほど前、1987年に開設された歴史ある組織です。私自身もその生み出すデータや報告書にこれまでお世話になってきました。今回は機構改革でフェロー(特別研究員、といった意味です)15人を中心とした議論を行う場とすることになり、そこに私も関わるというものです。コミュニケーションとマーケティングを通じて、どのようにしたらよい社会を作ることができるか、という大きなテーマのもと、各フェローが話題提供をしながら自由に議論していきます。私たちコミュニケーション学部のミッションに関係しているところも大いにありそうです。

コミュニケーションの世界が激変していることは、ソーシャルメディア、あるいはAI、VR、IoTといったテクノロジーの発展により日々感じられるところです。また、平行して社会自体の大きな変化にも私たちは直面しています。一例を挙げれば少子高齢化と、それにともなってもはや避けられない人口減少でしょう。これらが生み出しているさまざまな社会問題も明らかになりつつあります。企業が商品やサービスを提供するあり方も大きく変わるかもしれません。一方で、さまざまにある問題を解決しいかに社会をよくしていけるのかについて、明確な方向が見えているわけではありません。問題の解決にあたって、先のコミュニケーションテクノロジーは重要な役割を果たすでしょうが、それ自体に含まれる問題も指摘されています。

フェローの方々はそれぞれ、コミュニケーションとマーケティングの世界の第一線で活躍されています。私はといえば何とも心もとないのですが、大学を卒業して以来の研究活動の中で、インターネットの発展にともなう人々のコミュニケーション行動のありよう、あるいは最近では人間関係のあり方や格差の問題など、いわばよい社会とは何かということに関わる仕事をしてきた部分があり、それで依頼をいただいたのだと思います。

すでに議論は始まっていますが、気づきやアイディアに目を開かされることがたくさんあります。刺激も受けながら考えを深めて自分の研究活動につなげ、ひいては学生のみなさんにも最新の考察を提供するといった形で成果を還元できればと考えています。

0 件のコメント: