2014/06/30

受賞おめでとうございます

今月最後の記事は朗報です。

松永智子先生が、先月、2014年度日本マス・コミュニケーション学会 優秀論文賞を受賞しました。授賞対象は『マス・コミュニケーション研究』81号掲載の「英字紙読者の声―ジャパン・タイムスと浅間丸事件(1940年)」[本文PDF]です。

2010年度には光岡寿郎先生が受賞しています(本賞は隔年授賞)。

やや旧聞に属しますが、柴内康文先生が2013年度日本グループ・ダイナミックス学会 優秀論文賞を受賞しています。
内田由紀子・遠藤由美・柴内康文 (2012).  人間関係のスタイルと幸福感:つきあいの数と質からの検討. 実験社会心理学研究, 52(1), 63-75. [本文PDF
抄録:人間関係への満足は幸福感を予測することが知られている。しかし,人間関係が幅広く,数多くの人とつきあうことが必要なのか,それともストレスが少なくポジティブな感情を感じられるような人間関係を維持することを重視するべきなのかについては明らかではない。本研究は,人間関係のあり方が幸福感とどのように関わるのかを探るため,つきあいの数の多さと,つきあいの質への評価に注目した。研究1ではソシオグラムを利用して身近な人間関係のグループを特定し,各々のグループの構成人数や,そのつきあいで感じる感情経験などを尋ねた。その結果,つきあいの質への評価が幸福感と関連し,どれだけ多くの人とつきあっているかは幸福感や身体の健康とは関わりをもたないことが示唆された。研究2ではより広範で一般的な人間関係を対象とし,関係性希求型の項目を加えて,関係志向性における個人差を検討した。結果,一般的にはつきあいの数が多いことと,つきあいの質への評価の双方が重要であるが,人間関係を広く求める「開放型」の人ではつきあう人の数が多いことが,既存の安定的な人間関係を維持しようとする「維持型」の人ではつきあいの質への評価が,それぞれ人生への満足感とより関連することを示した。また,開放型は維持型に比べてより多くの人と良い関係をもち,人生への満足感も高かった。これらの結果をもとに,人間関係が幸福感に与える影響について検討した。


2014/06/22

コミ部の英語はコミュニカティブ

今日は、草野ハベル清子先生の授業をご紹介しましょう。

草野先生はコミュニケーション学部の特任講師として、以下の授業を持たれています。

英語I、英語購読、時事英語、英語ワークショップ、英文法作文、パブリックスピーキング、アドバンスト英語。

授業のやり方は、下記にもあるようにユニークで、私も受けたいぐらいです(たまたま授業にお邪魔したことがあります)。

コミュニケーション学部は来年度から「グローバルコース」を発足させます。コミュニケーション英語に今後も力を入れて行きます。

先生に授業のようすをご紹介いただきました。
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 私の英語の教授法は「コミュニカティブ・アプローチ」と呼ばれるものです。スペリングや発音、文法を目標とする授業と異なり、「自分が伝えたいことを自分の英語で言い(書き)、訊きたいことを自分の英語で訊く」ことを学びます。

 まず、最初に自分の考えや意見を持ってもらいます。そのためには自分のアンテナでいろんなことを知り、考えなければいけません。また他の人たちの考えや意見も興味を持って聞かなければいけません。他の人の言っていることが分からなかったら尋ねるのです。

「今のわからなかった。説明してください」とか、「その単語の意味を教えてください」と言うふうにです(そうしないと、発表の後で私からの質問が出るからこわ〜い、のです)。これをやるにはまず「自己表現」と「自己開示」ができることが前提です。そしてもちろんそれができる「勇気」も。

「僕たちはシャイなので、できないです」と学生たちは言います。それに対し、私は「それはまったくの言い訳です。体育の時間にまずスポーツのルールを机上で習います。それから実際にフィールドに出ますが、怖いからとか、痛いからとかはやらない理由になりますか?これは英語の実技のクラスです」と答えます。

 実際、普通のアメリカ人が日常会話で使用する語彙の約70%は日本の中学で習ったものです。

 文法項目の知識(普通、ペーパーテストで計る)と、実際に使用できる(運用する)文法のスキルとの間には相関性がないとのことです。それであればなおさら、クラスでどんどん間違いをし、互いにコミュニケーションを取るしか、英語でのコミュニケーションを上達させる方法はないのです。

 最初は戸惑っている学生たちもゲームや体を動かすことで自己表現を重ねると(これが一番時間がかかるのですが、やるしかないのです)、少しずつ変わっていきます。変わる程度はその学生次第です。

 私はテストはしません。すべて授業内の参加/発表によって評価します。読みのクラス(教科書を使う唯一のクラス)でも訳すことはなく、英語を英語のまま読む訓練をします。どう感じたのか、どこがおもしろかった(おもしろくなかった)を話してもらいます。作文のクラスも、自分がトピック/長さを決めて、書いてもらっています。一人一人自分の書いたものについて私と話をします。

 なるべく学生たちに自主的に決めて(何をいつやるか/発表は誰から始めるか、など)もらっています。そうすることによって、いろんな意見が飛び交い、コミュニケーション能力も高まります。

 ただし、クラスのレベルや人数、集団力学で、やり方を変えています。そのため、選択科目の場合、講義要項にハッキリと「すでに英語がある程度話せる人向き」「英語を人前で話す勇気がある人向き」「全然今まで英語を話したことがない人向き」「話してみたいけど、勇気がない人向け」「英語は話せないけど新しいことをやってみたい人向け」と明記しています。

 すでに英語が話せる人たちの授業(例えば、アドバンスト英語)は、私はなるべく表に出ないようにし、アドバイザー役に徹しています。自分たちですべて(教科書なし、テストなし、シラバスなしなので)何をやるか、いつやるかスケジュールを立ててもらいます。

 この春学期には私が発表のスケジュールを黒板に書き出したら、一人の学生がなにも言わずに立ち上がり、私に代わってスケジュールをみんなに訊き、書き出してくれました(私が年をとっているからとか、背が低いからではないと思う(笑))。

「英語が怖い、人前で話せない」というクラスでは、なるべく簡単なこと(自分の名前を大きい声でいう/他の人と手を繋ぐ/文で答える必要がないクイズ)から始め、少しずつ難易度をあげて行きます。

 この春学期では、隣の人と話すことから始め、今では自分から手をあげて自発的に自分のことやパートナーのことをみんなに話すことができるようになっています。しかも、それに対して、クラスから質問が出るようになったのです。

 文法/発音の間違いで、皆が分かってないなと思う時だけ、私が助け舟を出します。この春学期の「時事英語」では、最初に「このクラスは英語がすでに話せる人、またはガッツがあり食い付いてこれる人のため」と宣言。9人になりましたが、時間が足りないと感じるほど、ニュースの報告に対してつっこんだ質問をお互いにするので、私もとても愉快ですし、私自身も懸命に勉強しています。

 もちろん、このようにうまく行かない年/クラスもあります。その場合は、なるべく学生たちと問題について話す/私のやり方を替えるなどしています。

 毎年チャレンジングなことを私に仕掛けて来るコミ部の学生たちです。

2014/06/19

教職員のための夏季教育講座

7/28から、神奈川県高等学校教育会館の主催で、「教職員のための夏季教育講座」(連続講演会)が開かれます。

その第1回が「生徒の心をつなぐソーシャルメディア」です。
講師は山形大学の加藤寛子さん。ネットいじめなど、子どもたちのネット利用の専門家です。


2014/06/16

放送大学「21世紀のメディア論」のすすめ

中村理恵子です。

本日、6月16日(月)20時00分~20時45分、「21世紀のメディア論」の10回目「メディア遊びの挑発」で、連画やカンブリアン・ゲームから最新の活動までが紹介されます。

水越伸さん(東京大学)が担当される15回のシリーズです。この春から改訂版として放送が始まってます。

番組の最後、水越さん、先日ゲスト講師でいらした安斎利洋さん、わたしの鼎談風景で終わる予定です。杖道やアート、身体表現まで(カットされてなければw)。

★視聴ですが、わが町多摩では、地上デジタル、リモコン数字キーの「12」にするとみられます。

・番組HP:http://www.ouj.ac.jp/hp/kamoku/H26/daigakuin/B/joho/8970068.html
・昨年末、取材にこられた時のFacebook上のタイムライン:https://www.facebook.com/rieko.nakamura.982/posts/10202948831104963
・視聴方法:http://www.ouj.ac.jp/hp/bangumi/howto.html

メディアとか、身体とかをキーワードに、いまの社会を広く見渡した最新の事情がわかる内容です。

他の回も含めて、熱烈おすすめです!

2014/06/14

講演会のご案内

コミュニケーション学部の西垣通先生の講演会です。

情報ルネサンス―情報社会とビッグデータをとらえなおす

日時:7月16日(水)10時40分〜12時10分
会場:聖学院大学チャペル
主催:聖学院大学 政治経済学部+図書館情報学課程
参加自由

2014/06/12

夢ナビライブ2014の詳細が決まりました

7月12日 11:00-17:30 東京ビッグサイト 東3・4・5・6ホール
詳細はこちらです。

メディア学・情報学
メディア学・情報学は新しい学問分野です。情報伝達やコミュニケーションの手段であるメディアは、めまぐるしいスピードで変化しています。そうしたメディアの社会や生活における役割や歴史、仕組みを学ぶのがメディア学です。コンテンツ制作やメディア技術も学びます。情報学では主に、コンピュータサイエンスやコンピュータネットワーク、情報社会について学びます。メディアのベースにあるのはコンピュータやネットワークです。したがってメディア学と情報学は近い関係にあります。どちらにも文科系と理科系の両方の要素が含まれます。
情報通信およびコンピュータ関連企業、また広告・PR関連や情報処理関連の企業への就職が可能です。情報科教員の道もあります。コミュニケーションスキルを生かせば、就職先はさらに広がります。

 東京経済大学
ほどよい規模の社会科学系大学。人や社会といい関係を築く力をみんなに。
現代は、いつでもどこでも情報が手に入りコミュニケーションできる「便利な」時代です。しかし、コミュニケーションに疲れたり情報が多すぎて困ったりした経験はありませんか。私たちは今のような社会にいったいどこまで耐えられるのでしょうか。理想的な情報社会や快適なコミュニケーション社会を追究する場が東経大コミュニケーション学部です。
東京経済大学   コミュニケーション学部 コミュニケーション学科 教授(学部長)  川浦 康至 先生
東京経済大学   コミュニケーション学部 コミュニケーション学科 准教授  北山 聡 先生
東京経済大学   コミュニケーション学部 コミュニケーション学科 准教授  佐々木 裕一 先生
東京経済大学   コミュニケーション学部 コミュニケーション学科 准教授  深山 直子 先生
東京経済大学   コミュニケーション学部 コミュニケーション学科 専任講師  松永 智子 先生

2014/06/09

【身体表現/メディア制作】これまで、そしてこれから

なかむらです。

前期講義も中ほどを過ぎました。

現在進行中のワークショップや、今後のゲスト講師のみなさんについて、ページを更新しました。

どうぞ、よろしう。

※身体表現ワークショップは全部で4コマ開かれています。中村先生、池宮先生、大榎先生(2コマ)。

2014/06/05

新講座 身体表現ワークショップ「Musicking ミュージッキング/音楽する」

 この4月から、コミュニケーション学部の専門科目「身体表現ワークショップ」群に新講座「Musicking ミュージッキング/音楽する」が開講されました。その内容をご紹介します。

 音楽を聴いたり、観たり、歌ったり、演奏したりする( = Musicking)とき、心と身体は音楽の響きに感応し、場を共にする人々の感応は共鳴し始めます。音楽は、心と身体の感性を触発し、心と身体の表現をうながし、人と人とのコミュニケーションを産み出す人類にとって大切な営みなのです。音楽をつうじて、心と身体の感受する力、表現する力、コミュニケートする力を触発し賦活すること、それがこのワークショップの目的です。

ゲスト講師 森崎ベラさん
 ワークショップを主導するゲスト講師・森崎ベラさんは日本ゴスペル音楽界の先駆者として知られ、Black Musicの分野全般で高く評価されている現役のシンガーです。ボーカル・トレーナーとしても著名で、数多くのシンガーやクワイアを育てあげています。

 本ワークショップで取り上げるのは、ブルース、ゴスペル、ソウル、ジャズ、ロック、カントリー、ファンク、クロスオーバー、フュージョン、コンテンポラリーなど、アメリカで生まれ育った音楽です。

ブルースを語る(1) 小安田憲司さん
ブルースを語る(2) 小出 斉さん

 ワークショップには、アメリカ音楽を専門とする数多くの一流ミュージシャンがゲストとして出演してくれます。

 ゲスト講師・森崎さんとゲスト・ミュージシャンの対談形式の解説、そして選りすぐられた古典的名曲、名演の映像資料によって、アメリカのさまざまな音楽ジャンルの音楽的特徴と社会文化的背景、歴史的背景について学びます。

 ワークショップでは、さらに、ゲスト陣による生の演奏を聴きます。最高のゲスト陣が奏でる最高の音楽を聴いてもらいます。メディアを介した音楽視聴経験とは別次元の、生の音楽が産み出される現場、ミュージシャンと観客のあいだで感性と表現とコミュニケーションが渦巻く音楽の現場を体験し感受してもらいます。

〈ゲスト・ミュージシャン〉
 出演されるゲストは次の方々です(プロフィールはそれぞれのHP等をご参照ください)。

 小出 斉(vo,g)、星川 薫(g)、小安田憲司(vo,g)、吉森 信(pf)、青山春裕(vo)、深沢葉子(pf)、持田弘嗣(vo)、小田智昭(drs,perc)、新井崇嗣(音楽評論家)

小出 斉さんのブルース

持田弘嗣さん

小安田憲司さんと深沢葉子さんの
ブルース





  






ギタリストの星川 薫さん

 二コマ続き授業の後半では、受講者が音楽を実践します。準備体操に始まり、ゴスペルを主とする課題曲を歌いながら発声、発音、唱法、音程、リズムなどを学びます。さらに、ソロで歌う技術、個性の活かし方、グループでハーモニーを構築する技術、マス・クワイアのユニゾン(斉唱)の方法などを習得します。ゲストから楽器演奏の個別指導を受けることもできます。声を合わせたときに産み出される音楽の力、心の糧となる音楽の力を感じとってください。

準備体操
歌う

(コミュニケーション学部教員 池宮正才)

2014/06/02

【予告】7/12 夢ナビライブ

7/12(日)の「夢ナビライブ2014」に東経大コミュニケーション学部も参加します。
5名の教員が対応します。

11:00(10:00受付開始)~17:30
東京ビッグサイト 東3〜6ホール

プログラムが公開されるのは今月上旬。
しばらくお待ちください。

みなさんにお会いできるのを楽しみにしています。