2018/07/17

名物ゼミ紹介 駒橋ゼミ

<今回紹介するのは駒橋ゼミです。
駒橋先生は8月25日のオープンキャンパスで12時半から13時10分まで講義をします。
興味がある方は是非いらしてください。>

駒橋です。講義科目としては、企業コミュニケーション基礎、広報論、マーケティング論を担当しています。PRプロフェッショナルプログラムの広報・PR実務演習も担当です。

ゼミでは、広報・PRについて、さまざまな角度から学びます。

 広報と広告を混同している人が多いのですが、根本的に違います。簡単に言えば、記事や番組に関わるアプローチが広報で、新商品の記者発表会や謝罪会見、プレスリリースの発行、企業webサイトや会社案内や社内報の作成など、たくさんの領域があります。

 企業の正式名称を何社言えますか?企業についての記事を読んだことがありますか?

 2年生のゼミでは、まずそこから始めます。新聞の企業記事を読んでいくと、いろいろな企業のことや、新商品の情報が詰まっていて、とても面白いものだということがわかってきます。次に、ニュースの選び方や記事の内容が新聞によって違うことや、記事の書き方やタイトルによって、読んだ時の印象が変わることに気づきます。そしてプレスリリースと比較すると、企業はたくさんの情報を出しているのに、記事として取り上げられるのはほんの少しだということも知ります。

さらに、企業webサイトの比較研究をします。製品サイトはよく利用していても、企業の公式サイトは初めて見る学生が多いのですが、そこには会社の歴史から最新のCMまで、大量の情報が掲載されています。そして同じ業種でも、企業によってデザインや情報内容がかなり違っていることを実感していきます。

このほか、CSRレポートの比較研究もします。CSR(企業の社会的責任)を果たすために、今年はどんな活動をしたか、という報告書なのですが、これも企業によってレイアウトや情報内容が全く違います。

こうして全員がいろいろな角度から広報について学び、同時に講義科目も履修しますので、2年生が終わる頃には、広報・PRのことがかなりわかるようになっています。PRプランナーの一次試験に合格する学生もいます。

 3年生になると、それまで学んできたことをフル稼働させて、新商品開発&模擬の記者会発表会を行います。今年はエバラ食品工業のマーケティング担当の課長さんに来てもらい、オリエンテーションを受けた後、4人ずつ、4グループに分かれて新商品の企画を立てました。市場規模を調べ、ターゲットを決め、新商品の内容やパッケージ、価格、販売地域、プロモーション方法などを考えます。今年は7月6日が「記者発表会」で、本物そっくりのプレスリリースを作成し、プレゼンテーションを行い、企画内容と記者発表会としての完成度を競いました。学生同士の相互得点と、エバラ食品の課長の評価を合わせ、優勝は「黄金の味αパウダー」という粉末仕様の新製品を企画したグループに決定しました。他グループも僅差で、クオリティの高い発表となりました。このほか、企業記事の研究なども同時併行で行っているため、多くのチームが時間外にも集まって準備したようです。



模擬記者発表会の様子



模擬記者発表会を終えて、エバラ食品の参加賞をいただきました


 3年生後期は、広報をテーマにしたディベートを行います。これも4つのテーマに分かれて、賛成派と反対派の2人ずつで競います。どちらも現実に意見が二分しているテーマですので、どういう根拠なのかを調べることで、広報の課題を理解していきます。同時にゼミ論文も執筆し、年度末にゼミ論文集を発行します。半数以上の学生が、ゼミ論文のテーマを4年生の卒業論文に発展させています。企業の公式Instagramの内容分析や、パッケージデザインの色彩比較など、テーマはさまざまです。

 このほか、3年生の前期と後期の最後に、企業博物館や工場の見学会を行っています。昨年は夏に凸版印刷の印刷博物館、冬に味の素の川崎工場へ行きました。写真はそのときのものです。今年は7月20日にサントリーの武蔵野工場へ行く予定です。


印刷博物館の見学


味の素川崎工場も見学しました

2018/07/06

【学問のミカタ】アスリートは勝負をどう学ぶのか

スポーツコーチング担当の遠藤愛です。そして、恥ずかしながら元プロテニスプレーヤーです。

サッカー日本代表のベルギー戦、惜しかったですね、本当に。あの試合の後、日本は、勝つために何が足りなかったんだろう、何が必要だったんだろう、どこで勝敗が切り替わったんだろう、多くの人がそんな疑問を抱いたと思います。私も一人のファンとしてあの試合を見ていて、勝負の難しさと怖さを思い出しました。

そこで、今回の学問のミカタは、アスリートの視点から勝負をどのように学ぶのかについて書くことにしました。

アスリート、つまり競技に打ち込み、勝負の世界で生きていく選手は、技術や戦術を身につけ、体力、精神力の強化とともに、勝負とは何かを理解し、それを日常として楽しめなくてはなりません。技術、戦術、体力はトレーニングを通して習得できますが、勝負とは何かを学ぶこと、あるいは選手に教えることはとても難しいものです。

試合は、大きく分けて、攻める時、守る時、そして時機を待つ時の3つに分けられます。中には、“生まれながらの勝負師”と感じさせる選手がいますが、私は、勝負に出る時、勝負をかける時を鋭敏に感じ取れる感性を、子どもの時から徹底的に磨いたような気がします。

どうやって??

私の場合は、“実戦形式の練習と試合を繰り返すこと”でした。ある程度、技術的な基礎が固まった小学生の高学年頃から徐々に練習試合を増やし、中学後半からは毎日、色々な相手を見つけて試合をしていました。練習の時から徹底していた注意点は3つ。

・ 常にプレーしている自分とは違うもう一人の自分を作り、外からプレーを見つめ、自分と対話すること。
・ 相手や自分の何かが変わった時、つまり入らなかったボールが入るようになる、ミスが増えてくる、自分や相手が疲れたかな、、など、ふと気づく直感を大切にすること。
そして、、、
・ 最後の最後の瞬間まで、勝ち切るまで決して気持ちを緩めないこと。
以上の3点に加えて、「練習でできないことは試合でできない。でも、試合では、練習ではしないミスをする」ことを心に刻んで練習していました。

競技引退後、さまざまな選手と話すようになりました。彼らの多くは、子供の時から勝負に親しみ、楽しんでいるケースが多い。実際に、今年度の身体表現WSで指導して下さった佐伯美穂プロは、小学生の時から様々な練習に勝負を取り入れていたそうです。授業でも、ウォーミングアップから学生たちを競わせました。競うこと、勝敗を決めることを日常的に体験させる練習は、同世代、同レベルの仲間に恵まれた環境ゆえに実現できる方法です。
本来、勝負に対する感覚は選手自身が自分で気づき、会得するものですが、私たちのように指導者や周りが材料やきっかけを整えることによって身につけることも可能だと思います。


身体表現ワークショップでの佐伯プロと学生たち。アップから鍛えられました。

さて、ワールドカップは終盤に入りました。テニスのウインブルドン、自転車のツールドフランス、メジャーリーグでは大谷選手の復帰と、私たちは世界中で開催されている様々なスポーツイベントを見ることができます。

今日のスポーツ観戦は、技術が進歩し、視聴者や観客が見たい箇所を何度でも繰り返し見られるだけではなく、試合の判定にも録画再生技術が用いられるようになりました。一流選手の技術を抽出して分析し、比較検討することも可能です。でも、スポーツに携わるものとしては、勝敗を決める一瞬だけは是非、起こる“その時”に見て頂きたい。いつ起きるかわからないその一瞬を作り出し、感じ取り、モノにするためにアスリートは努力し、戦っています。 “その時”の緊張感と興奮を選手や他の観客と共有すること、それがスポーツを見ることの醍醐味です。勝敗を分ける“一瞬”を敏感に察知するアスリートの感性にも是非、注目してください。



鈴木貴男さんは身体表現ワークショップで運動連鎖を生かしたサービスを指導してくれました。



ジュニア育成の最前線で指導している吉田友佳さん。私たちの時代とは違う“今”のテニスを指導してくれました。