2020/04/08

学部長メッセージ:政府の緊急事態宣言を受けて


 今日は本来であれば、オリエンテーション期間が終わって1期の授業が始まる日でした。しかし、既にご存知のように、政府が非常事態宣言を出し、都知事が大学にも休業を要請する事態となっております。大学としても開講を422日からに先送りする決定を既にしていましたが、さらに、開講からしばらくの間は、授業を通常の対面形式ではなく、オンライン形式で行うことが決定されました。

 新型コロナ・ウィルスには、ウィルスに感染しても症状が出ず、本人も周囲も気づかない状態で、他人に感染させてしまうことがある、という極めて厄介な特徴があります。特に皆さんのように若い人は、感染しても顕著な症状が出ない場合が多いとされています。潜在的に「感染する」「感染させる」リスクを減らすためにも、大変残念ですが、集まって、接触、交流することは極力避けなければならない状況に至っているのです。

 緊急事態宣言を受けて、大学は、当面の間、学生のキャンパスへの立ち入りを禁止するとともに、教職員と学生との接触を禁止しました。現時点では、場を共有して話すといったことは、大学のキャンパス内外を問わず禁止されています。これを補う形で、大学は、あるいは電話での問い合わせに応じ、またあるいは、ネット環境を活用して、皆さんへ情報の提供をおこない、また、皆さんの声を聞くことができるよう努めていきます。

 なかなか慣れるのが難しい面もあるかとは思いますが、大学の学修情報のやり取りに用いられる TKU-portal manaba のシステムの操作方法を自習し、できるだけ頻繁に(目安は毎日1回以上)情報をチェックしてください。このブログも、同じようにチェックしてもらえると助かります。

 また、皆さんの中にも、既に Skype Zoom といったオンラインで顔の見えるコミュニケーションがとれるアプリケーションを使ったことがある方も少なくないと思います。今後、授業や日常的な学習指導の中で、こうしたオンラインでのやりとりをするアプリケーションを使う局面も増えていくことが見込まれます。もし、まだ使ったことがないようでしたら、どんな機能があるのか調べるだけでも良いので、情報を検索しておいてください。もちろん、まだ使っていない皆さんが、これらのツールを使えるようになれば、大変ありがたいと思います。

 また、何かわからないことがあれば、躊躇しないで大学の担当部局に電話で問い合わせてください。特に、科目の選択、履修相談など、学修に関する事柄は学務課へ、学生生活上の問題、特に、一人暮らしなどの場合であれば、大学に関係がないようにも見える私的と思われる問題も含め、学生課へ、それぞれ電話で相談してください。各部局の電話番号は大学のサイトで公開されています。
     https://www.tku.ac.jp/contact/

 最後に、改めて、コミュニケーション学部の皆さんに、学部長としてお願いしておきます。緊急事態宣言の趣旨を踏まえ、不要不急の外出は控えてください。大学が上で述べたような、学生のキャンパスへの入構禁止や、教職員との接触禁止を決定したのは、文字通り苦渋の決断です。それを補うために、いま大学は様々な努力を重ねています。

 可能な範囲で、授業関連の情報をネット上で収集し、上記のアプリケーションの操作法を自習しておくといった自主的な取り組みが、皆さんに期待されています。授業がオンラインで始まるまでの期間にも「学び」の姿勢を忘れないでください。

 2020年4月8日 
コミュニケーション学部長 山田晴通

コミュニケーション学部生のみなさんへ(4月8日)

新型コロナウィルス感染拡大、また緊急事態宣言の発出にともない、講義開始、大学行事また施設の利用等に大きな影響が起こっています。コミュニケーション学部はみなさんの健康・安全を第一に、しかしコミュニケーションの学びを志したみなさんの期待に添えるように努めていきます。

大学が発信する最新の情報について、よく確認するようにしてください。


以上を定期的によく確認してください。ブックマークもおすすめです。

学部からの情報、またみなさんに知っていただきたいニュースや記事は、このブログでも発信しますので、なるべく見ていただけたらと思います。やはりブックマークを推奨します。

教員および事務からの連絡が、大学から与えられている「学籍番号@tku.ac.jp」あての電子メール「TKUメール」で届くこともありますので、あわせてチェックしてください。これはみなさんも使うことの多いGmailのシステムを使っています。スマートフォンのGmaiアプリでID(「@tku.ac.jp」まで)とパスワードを設定すれば簡単に使うことができます。

なお、情報は以下のコミュニケーション学部専任教員のTwitterアカウントでも流れることがありますので、フォローすると気づきやすいと思います。
北村智 @satkit 小山健太 @koyamaknt 佐々木裕一 @sameokun 
柴内 康文 @yasu_shibanai 光岡寿郎 @tsrmtok 山下玲子 @yukitsunamama


【全学年向けの連絡】
  • 開講日は 4月22日(水) ですが、当面の間オンライン授業の形で行います。
    • TKUポータルの「新型コロナウイルス感染症感染拡大防止対策」という4月8日付配信のお知らせを確認してください
  • オンライン授業を受講するための環境を整えてください。ポイントは以下の3点です(より詳細は、TKUポータルの「2020 年度第1学期のオンライン授業の受講準備」という4月8日付配信のお知らせを確認してください)
    • 受講に必要な機器をそろえる
      • PC やタブレット、スマートフォン等、インターネットを使用できる端末を用意してください。語学や演習等を中心に、リアルタイム配信による双方向の授業が行われることがあり、その場合は、カメラやマイクが必要となります。多くのノートパソコンやタブレット、スマートフォンはカメラやマイクを内蔵しています。イヤホンもあった方が聞き取りやすいと思います。
    • インターネット環境を整える
      • オンライン授業にはデータ通信量がかなり必要になる可能性があります
      • 光回線などの常時接続ができる定額制のインターネット環境(+Wi-Fi)を推奨します
    • manabaの使い方に慣れる
      • それぞれの授業の情報はmanabaから発信されます 
      • 履修登録期間であっても、履修が確定している授業(履修必修授業および演習・卒業研究など)はmanabaからコースの情報が確認できます。すでにmanabaを通じて情報発信が行われている可能性があります
      • manaba学生マニュアルを参照して、manabaが使えるように準備してください
  • 科目登録してください
  • 緊急事態宣言の発出に伴い、大学は4月9日(木)以降当面の間、以下の特別な体制となります。したがって大学ウェブサイトTKUポータル等の情報がこれまで以上に重要となりますので、よろしくお願いします。
    • 国分寺・武蔵村山キャンパスの教職員を除く入構制限
    • 学生の施設利用禁止(図書館、PC自習室等を含みます)
    • 大学の全ての窓口業務を中止
  • TKUメールに届いたメールをすぐに確認できるような準備をしてください

【重要な連絡:1年生】
  • manabaでの科目「アカデミック・コンパス」のアンケートに答えてください


【重要な連絡:2年生〜】
  • 特に、履修している演習・卒業研究の担当教員からの連絡には反応してください
  • 個別の教員からの連絡は指定されているものか、manaba、TKUメールが中心です

このページの情報は、URLアドレス https://comtku.blogspot.com/2020/04/47.html とともに、周囲にいるコミュニケーション学部の友人・知人にも教えてあげてください。この困難を乗りきるため、協力していただけると助かります。

2020/04/01

学部長メッセージ:2020年度の開始にあたって

 この4月から柴内康文さんの後を引き継いで、新しく学部長を務めることになりました、山田晴通です。在学生の皆さんのほとんどは、私の授業を受けたことがあると思いますが、新1年生の皆さんは、2分の1強の確率で私の授業を履修必修で受けることになるはずです。これまでに授業でご縁のあった皆さんも、これからご縁のある新1年生の皆さんも、そうではない皆さんも、どうぞよろしくお願いいたします。

 新学部長として、新学年度の開始にあたってのメッセージを、皆さんに送ります。ちょっと長めになりますが、最後まで読んでもらえるとありがたいと思います。4月1日付で公開しますが、もちろんジョークではありませんよ。



 コミュニケーション学部は、今年2020年で開設から25年、四半世紀の歴史を重ねたことになります。この春は、新型コロナ・ウィルスの問題で、学校の一斉休校があったり、様々な行事が影響を受けて中止・延期されたりと、私たちの社会が感染症という危機にさらされ「国難」と呼ばれるような状況が生じています。残念ながらこの春は、卒業式、入学式をはじめ、様々な行事が中止されたり、変則的な形態での実施を余儀なくされています。学生の皆さんにとっても、例えば2011年の東日本大震災のときに匹敵するような非常事態、平穏な日常生活が何かに脅かされ、萎縮することを強いられる窮屈な状況が、生々しく感じられているのではないかと思います。

 実は、コミュニケーション学部が開設された1995年の春も、やはり重苦しい雰囲気が日本の社会を覆っていました。この年、1月17日に兵庫県南部地震が発生し、5千人以上の犠牲者を出した阪神・淡路大震災が引き起こされました。そして3月20日には、地下鉄サリン事件が起き、世間の注目が当時のオウム真理教に集まって、メディアは連日その動静を取り上げ続けました。5月16日には教祖・麻原彰晃の逮捕に至り、その後も長くこの事件に関する報道は続き、また、このような集団を生み出した社会の在り方を巡って重々しい議論が様々な形で交わされました。当時は、その少し前から「1999年に世界が破滅する」という「ノストラダムスの予言」という形に象徴される世紀末思想、ある種の末法思想も広まっており、「(第二次)オカルト・ブーム」とも称される時代の雰囲気もありました。最初のうちはあくまでも冗談として、半信半疑で楽しむという余裕があったはずが、1995年春には、シャレにならない形で「終末」が現実の中に噴出してきたという感覚が広まったのです。

 そんな時代の中で、コミュニケーション学部は開設されました。人と人を結ぶコミュニケーションが、社会の結びつき、紐帯を生み出す原点です。コミュニケーションは、社会を作り、文明を生み、文化を育んで豊かな生活を送るべく努力する人間の営みの出発点にあるのです。その本質は、身の回りの身近な人々との接触におけるコミュニケーションから、メディアを通した社会の広がりにおける大規模な情報交流までを、連続性のあるひとつながりの過程なのです。コミュニケーションを学ぶ目的は、あらゆる規模や形態におけるコミュニケーションの本質を理解し、適切に情報交流をおこなうことで、様々な社会のつながりをより円滑に機能させられる能力を身につけるところにあります。

 1995年は、一方では、「インターネット」という言葉が日本語で一般化し始めた最初の一歩の年でもありました。この言葉自体はそれ以前にもあったのですが、新聞や雑誌など一般的なメディアに「インターネット」という言葉が多数登場するようになったのは、1995年からでした。当時は、すでに携帯電話は存在していましたが、今とは機能も、料金なども全く別物で、学生は到底持てないものでした。それが、10年ほどで、学生がみんな携帯電話を持っている状況となり、さらに電話でなくもっぱら通信機器、情報処理端末としてのケータイが活用されるようになってきたわけです。

 いくら技術が変化しても、人間の心は変わらない、というのは一面では真実ですが、ケータイがある現代と、例えば皆さんのご両親や、さらに上の世代の先輩たちが、いまの皆さんのような若者だった時代に、どうやって友人や恋人と連絡を取り合っていたのか考えてみてください。技術が変化すれば、人と人の接し方は変わっていきます。接し方が変われば、人間の心も変わるかもしれませんね。

 コミュニケーション学部は、デジタル化の爆発的な展開という技術的変化の荒波の中で、メディア・リテラシー教育を通して情報の本質を見極め、コミュニケーションについて自らの力で考えられる卒業生たちを、社会に送り出してきました。学部開設から四半世紀を経て、教育の具体的な内容は技術の変化や社会の変化を反映して常に更新を重ね、変化してきましたが、コミュニケーションを原点に、社会の絆のあり方の本質から考え、より深く社会を理解し、その先で自ら実践するという方向性は、コミュニケーション学部における学びを貫いています。

 私たち教職員は、学生の皆さんの学びの努力、前進への意欲、「進一層」の精神を、全力でサポートします。窮屈な「空気」が広がろうとするときこそ、身近なところから本質を捉え直し、しっかりと視線を上げて、前に進んでいきましょう。

2020年4月1日
コミュニケーション学部 学部長 山田晴通