2019/12/16

カリスマ旅館館主と噺家になった卒業生

今週のトケコム。
「コミュニケーション」を生業とする個性豊かなゲスト講師をお招きし、
特別セミナーを開講します。

○2019年12月17日(火)16:20〜17:50
「誰でもできるインバウンド経営」
 講師:澤の屋旅館 館主 澤 功 氏  http://www.sawanoya.com/nihonngho.html
 企画:中村忠司ゼミ

    トリップアドバイザーで常に上位の宿。なぜ澤の屋旅館は外国人から人気があるのか?
 観光カリスマとして著名な澤氏の体験談から学びます。
 
○2019年12月19日(木)17:00〜18:00 6号館4階 F416
  「立川幸平 年忘れ独演会」
 講師:立川幸平 氏(立川談幸門下、2017年度トケコム卒業生)
 企画:松永智子ゼミ

 落研に所属し、学生落語の世界でも活躍していた立川氏。
 卒業研究のタイトルも「学生落語大全」でした。
 今回は初心者にも配慮したプログラムで、
 落語の芸を披露し、噺家という職業の魅力について語っていただきます。
 年忘れにひと笑い、いかがでしょう。


2019/12/10

聖地巡礼って何?ーコンテンツツーリズム学会@TKU


 いよいよ師走になりました。我がトケコムでは、先週無事に卒業論文を提出した学生たちの、卒業旅行計画の楽しい話題を耳にします。「旅行」といえば…

 先週末、本学にてコンテンツツーリズム学会 論文発表大会が開催されました。同学会の常務理事を務めるトケコム教員の中村忠司先生よりご報告いただきましたので、以下お届けします。

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 1130日(土)2号館にてコンテンツツーリズム学会 第7回 論文発表大会が開催されました。
コンテンツツーリズム学会 論文発表大会

コンテンツツーリズムとは、地域に「コンテンツを通じて醸成された地域固有のイメージ」としての「物語性」「テーマ性」を付加し、その物語性を観光資源として活用することとされます。対象となるコンテンツは映画・アニメ・ゲーム・テレビドラマ・文学・音楽などで、その物語の舞台となった土地を訪れます。アニメの舞台地訪問は「アニメ聖地巡礼」と呼ばれ、その場所には世界中から若い日本アニメのファンが訪れます。『君の名は。』の舞台地となった岐阜県・飛騨古川や『ガールズ&パンツァー』の茨城県・大洗町、『SLUM DUNK』の神奈川県・江ノ電鎌倉高校前踏切は有名ですね。海外ではドラマ『冬のソナタ』で韓国旅行ブームが起きて、たくさんの日本人女性旅行者がソウルだけでなく春川(チュンチョン)など地方都市を訪れました。このようにコンテンツツーリズムには舞台地となることで、今まで観光地として認識されていなかった場所に多くの観光客を集めるという特徴があります。
コンテンツツーリズム学会ホームページ http://contentstourism.com/index.html


アニメ映画『君の名は。』の舞台地。
四谷 須賀神社の階段(筆者撮影)

映画『Love Letter』の舞台地。
韓国でブームになった冬の小樽(筆者撮影)

今回の発表大会は7回目で、大阪・福岡・静岡と地方での大会に続き、20193月に学会が学術研究団体の指定を受けてから最初の大会となりました。大会では最初に柴内学部長が開催校挨拶として、大学の紹介とメディアや文化を研究対象とするコミュニケーション学部とコンテンツツーリズムの親和性について話しました。続いて学会会長の法政大学大学院増淵敏之教授が開会挨拶をされました。
 
開催校挨拶をする柴内学部長


開会挨拶をする増淵敏之会長

 特別講演は立教大学観光学部石橋正孝准教授が「地霊(ゲニウス・ロキ)としてのシャーロック・ホームズ」というタイトルで講演されました。シャーロック・ホームズはイギリスのコナン・ドイルによって書かれたシリーズ作品の主人公で、作品は1887年の『緋色の研究』から1927年の『シャーロック・ホームズの事件簿』まで長篇4篇と短篇56篇があります。世界で最も有名な架空の探偵として知られ、2010年にはBBC放送が『SHERLOCK』としてスマートフォンやインターネットを駆使して事件を解決に導く現代版キャラクターとして復活させました。2012年にはCBC放送が『エレメンタリー ホームズ&ワトソン in NY』としてニューヨークを舞台にドラマで活躍させています。またフジテレビでは2019年秋から放送の『シャーロック』で東京を舞台にディーン・フジオカが犯罪コンサルタントとして活躍するドラマのタイトルに象徴的に使われています。講演は、作者論として「モデル作者」から「キャラクター」へと論を展開され、作品的受容とコンテンツ的受容の違い、作者と読者の戦いと非常に興味深い内容でした。個人的には、コナン・ドイルとディケンズの対比がなるほどと思い面白かったです。

 
論文発表の様子

 休憩を挟み2会場で12本の発表が行われました。タイトルは以下の通りです。
・「アニメ聖地巡礼者の特徴」
・「スポーツのコンテンツ化によるコンテンツツーリズムへの接近 地域資源活用イベントの活用事例から」
・「アキバのコンテンツツーリズムとマーケティング3.0
・「聖地巡礼による中国観光客の動向に関する一考察 SLAM DUNK』の分析を通して」
・「アニメの聖地巡礼を活用した地方自治体のディスティネーション・マーケティングに関する一考察 埼玉県の事例から」
・「日本映画を活用した地域資源創出プロセスにおける地域組織の役割」
・「地域創生とコンテンツツーリズム」
・「コンテンツ『温泉むすめ』の展開とその可能性 再話化とツーリズム」
・「コンテンツツーリズムの新たな可能性 オリジナル・ビデオによる誘発した朝里観光を事例に」
・「アニメ『ゆるキャン』が 地域に与えた影響について」
・「アニメファンの聖地巡礼における意識と行動特徴に関する研究」
・「コンテンツツーリズムと婚活ツーリズムの相乗的展開可能性に関する考察」
 発表内容は、論文や研究ノートとして『コンテンツツーリズム学会論文集』に掲載予定です。

 本校の過去の卒業論文タイトルを見るとコンテンツツーリズムをテーマとした論文がいくつもあります。中村忠司ゼミ(観光学)ではニューツーリズムの中でも「フードツーリズム」や「コンテンツツーリズム」に力を入れています。この分野に興味を持つ人は、どうぞ話を聞きに来てください。
(中村忠司)


2019/11/25

盛況!ゼミ発表会2019


それはもう、お手本のような秋晴れでした!

師走の足音が耳に迫る今日この頃、去る16日(土)に、コミュニケーション学部ゼミ発表会が開催され、大盛況のうちに閉会しました。プログラムはこちら:https://comtku.blogspot.com/2019/11/1116.html

柴内学部長の挨拶にあった通り、ゼミは、大学生活の学びの柱です。ゼミ選びに真剣なトケコム一年生をはじめ、受験を意識した高校生や保護者の方々、発表する後輩の応援に駆けつけた三、四年生の姿もあり、会場は満員御礼。立ち見も出るほどでした。(学部長が緊急にパイプ椅子を手配する場面も!)

今回14のゼミが発表しましたが、改めて、コミュニケーション学部の学びの多様性を感じました。ざっくりとご紹介しましょう。

「働く人の心理」を研究。ビジネスコンテストでも健闘!

個性豊かなアート活動。年明けにはギャラリーで展示も。
企業広報を分析し、商品開発から記者発表会まで!

筋トレも人類学する。フィールドワーカーよ、集え!

ゼミの先生への愛を語る!研究メイン、ZINEも作ります。

足で稼いだ調査に基づくメディアの利用者研究。圧巻!

「メモを取りましょう!」大人びたプレゼンが成長の証。

アニメもマンガも、社会心理学で切る!

先生の熱い鞭に鍛えられながら、ネット、SNSに強くなる。

100年の幅でみる「グローバル化」。書を持って町へ出よ。

映像制作、ここまで出来る。ドローン撮影の富士山に感動。

外国人の視点で「日本」を見てみる。わかったこととは…

コピーで、写真で、映像で。人とちがう自分。人と違う表現。

観光学のゼミ。選り取り見取りの釜山研修!

以上、14のゼミの発表の後には光岡教務主任の総括。「こうした発表の際に、学生の成長ぶりをみてグッとくることがある」。同感です。顔見知りの学生さんが自分のゼミのことを生き生きと語る姿に私も大いに感激しました。




閉会後は懇親会へ。ご飯がなくなっても、気になるゼミの先生や先輩たちに積極的に質問する一年生の姿が目立ちました。来年はこの子たちが、どんなゼミ発表をするのかなと想像しながら帰路につきました。ゼミ発表会幹事の小林誠先生をはじめ、発表した学生さん、指導の先生方、そして参加したみなさま、大変お疲れ様でした。


2019/11/14

「いいね!」に縛られない SNSとの付き合い方  【対談:佐々木教授×モデル・ラブリ氏】

「佐々木先生が、モデルと対談したらしい?!」

そんな噂を聞きつけ、件の対談が掲載された雑誌を手に取りました。

フランスのモード誌『Numéro』の日本版として2007年に創刊された国際志向のファッション誌で、ウィキペディアによれば、「中心読者層は世界中の流行に敏感な25歳から35歳のキャリアウーマン」。(年齢のみそこに該当する)私はおそらく(というのも、たまに行く美容院で触れたかどうかうる覚え)、初めて頁をめくりました。





なるほど、今号の特集は「いいね!がつなぐ未来」。SNSは未知の世界、想像以上の未来につながる可能性を与えてくれるけど、それは使い方次第。弊害も多いよね、というメッセージと問題意識がタイトルから伝わります。私たちはSNSとどう付き合うべきか?を議論するラインナップに、昨年『ソーシャルメディア四半世紀』を上梓されたトケコム教員の佐々木先生が登場するというわけです。

対談相手はモデル、タレントのラブリ氏。数十万のフォロワーを持つInstagramやTwitterで積極的に発信し、今年、SNSをテーマにした個展「"デジタル”と“私”の関係 どうやら私は数字らしい」を開催するなど、SNSなるものを、メタレベルで考察し実践する表現者です。Forbes JAPANが選ぶトップインフルエンサー50」にも選出されました。





対談のタイトルは「SNSとの付き合い方って?」(118−119頁)。
ラブリさんの語るSNS経験と、そこから導き出した「マイルール」に佐々木先生がコメントする流れで進む対談はコンパクトながら示唆に富み、日々SNSと付き合っているだろう学生の皆さんにも、ぜひ読んでもらいたい内容です。対談の末尾にまとめられたお二人の「マイルール」を引用します。

【ラブリさんのSNSルール】
1. SNSを自分の価値観の中心にしない
2. フォローは最低限に抑え、不要な情報源を整理する
3. 生身の人との交流を通してより良い情報収集を積極的に行う
4. SNSで発信するときは、伝えたい対象者について考える 
【佐々木先生のSNSルール】
1. すぐ手に取ってしまうスマホは、あえてすぐに手の届かないところにおく
2. 情報収集型かコミュニケーション型のSNSユーザーなのか自覚する
3. 情報の偏りを認識し、別の角度から物事を見つめる習慣を持つ
4. 実世界での体験を大切に。それを助ける道具としてスマホもSNSも使う

雑誌の特集では、対談した二人以外にも複数のオピニオンリーダー(インフルエンサーというべきか?)がSNSとの付き合い方について語っています。いいね!の数に振り回されず、SNSを創造的な未来へのツールとして使うためのポイントとして多くの人が語っているのは、「自分は何のためにSNSを使うのか」その目的を意識するべきということ。一方で、同じSNSでも、PCやタブレットで使用するのか、スマートフォンで触れるのかではその行為の意味や展開が異なってくるという、「メディアの違い」に踏み込んでいるのは佐々木先生だけでした。私もこの点が、何より重要だと思います。

本特集を担当した編集長の田中杏子氏は、巻頭の編集後記でこうコメントしています。

今号を通して気づいたことは、SNSを使う目的がクリアであるかどうか。SNSを主軸ではなくツールとして存在させ、その先には実際のフィジカルな行動や出会いにつなげられればさらに素晴らしいものになるということ。(20頁)

それは言い換えれば、「一旦、スマホを置いて」。「いま」に束縛され続けるスマホでの絶え間なき情報接触では、「未来」を想像・創造する余白がない。「過去」に向き合う余裕も生まれないでしょう。自分とて、気をつけないと。

私が後期に担当している「ジャーナリズム論」でも、「未来をつくるジャーナリズム」を主軸テーマとしています。久しぶりにファッション雑誌をパラパラとめくりながらヒントももらい、「知る喜び」に満ちた読書体験でした。佐々木先生、ありがとうございました。


2019/11/06

11月16日(土)ゼミ発表会プログラム

華やいだ葵祭も終わり、コミュニケーション学部では「卒業研究の追い込み」と「ゼミ選び」のシーズンとなりました。

締め切りまで一ヶ月を切り、4年生は論文の執筆や作品の制作に勤しんでいます。

1年生は、2年生から所属するゼミ(科目名は「演習」)選択が迫り、情報収集も佳境に入っている頃でしょう。

言語学から心理学、歴史、ジャーナリズムに社会調査、フィールドワーク、英語学習/教育、広報・広告、異文化マネジメント、観光、映像制作、表現、アート、音楽、ファッション、マンガ・アニメ、ネット・SNS・メディア研究などなど、トケコムには多彩なゼミがそろっています。

【コミュニケーション学部ゼミ紹介(Space2020より)】
 https://www.tku.ac.jp/department/seminar/communication.html

キャンパスの木々も彩り豊かになりつつあります。
秋はやっぱり、いいですね。

さて、来週末の16日(土、15:00-17:30)には、毎年恒例、学生によるゼミ発表会が開催予定です。

1年生にとってはゼミ選びの参考になるでしょうし、2、3年生にとっては普段の活動を発表する晴れ舞台です。一般公開もされていますので、皆さんどうぞお越しください。



時間
308教室(6号館3階)
F307(6号館3階)
15:0015:10
開会の挨拶
 
15:1515:30
【小山ゼミ】
異文化マネジメントの研究
【大榎ゼミ】
大榎ゼミの活動
15:3015:45
【駒橋ゼミ】
広報・PRのゼミで行ったこと
【小林ゼミ】
異文化のフィールドワーク
15:4516:00
【北村ゼミ】 
メディア利用行動の実証的研究:
北村ゼミの活動紹介と研究報告
【光岡ゼミ】
光岡先生から学ぶ光岡ゼミ講座
16:0016:15
休憩
16:1516:30
【北山ゼミ】
北山ゼミのゼミ発表
【山下ゼミ】
ようこそ山下ゼミへ                     (山下ゼミでやること)
16:3016:45
【佐々木ゼミ】
佐々木ゼミの紹介
【松永ゼミ】
松永ゼミに、一目惚れ 
:1616通りの「グローバル化社会」
16:4517:00
【田村ゼミ】
制作した映像の上映
【長谷川ゼミ】
外国人から見たリアルな日本
17:0017:15
【大岩ゼミ】
ひとと違うことを考えられるようになるために
【中村ゼミ】
海外ゼミ研修(釜山)紹介
17:2017:25
総括
 
17:30
懇親会(6号館7階中会議室1)