コミ部は、東経大4学部の中で、唯一、卒論・卒業制作が必修なので、コミ部生は2年生から自分の興味のあるゼミを選択し、教員やゼミの仲間と、授業や課外授業、時には飲み会やゼミ合宿を通して、専門的な知識や人間関係などの様々なことを学んでいきます。
コミ部にはどんなゼミがあるのか、少しずつ紹介していきます。
コミ部にはどんなゼミがあるのか、少しずつ紹介していきます。
まず紹介するのは、2016年度のベストティーチャー、ゼミ部門1位の西垣通先生のゼミです。西垣ゼミでは、先生が提示するトピックについて、日本語と英語のディベートを行いながら、英語力とともに様々な社会問題についての理解を深めていきます。
ゼミでは、4週間で一つのテーマを取り上げます。1週目は日本語のディベートの準備として、自分たちの理論や想定される相手からの反論への対応などを練り、2週目は日本語でのディベートを実施。3週目と4週目は、日本語で行ったものを英語でディベートし、それに対する先生のコメントを受けて、レポートにまとめて提出するスタイルです。ディベートに際して、ゼミのグループを4つに分けますが、留学生やグローバルキャリアプログラムの学生など、英語が得意な学生を必ず1名は各グループに振り分けて、学生が協力してディベートに取り組みます。
ゼミ生は、「時には自分の意見とは反対の意見のグループになってディベートをすることもある。最初は戸惑ったが、違う立場からのものの見方や多様な考え方を学ぶことができた。」、「とにかく英語の運用力が上がる。相手を納得させるために必要な材料や言い方を仲間と協力して考え、発表することができる。」、「社会問題に対する知識が深まるし、それに対する自分の考え方ができていく。」、「硬そうなゼミに見えるかもしれないけれど、実際はこういったディベートの準備を和気あいあいと仲間と協力して取り組んでいる」といった印象を述べています。
今年度のトピックは以下の通りです。
・外国人労働者の受け入れの是非
・消費税増税の是非
・美容スポーツ整形の是非
・死刑制度の是非
・スタープレーヤーの高額報酬の是非
・成果報酬と年功序列賃金
この中で、今年度、学生に人気のトピックは「外国人労働者の受け入れの是非」と「成果報酬と年功序列について」でした。
西垣先生に、ゼミについて聞きました。
●西垣先生はどのような考えに基づいて、数ある時事問題の中からこれらのトピックを選んでいるのか?
「学生さんたちが現代社会で今後向き合うことになる大事なテーマや、いま国内外で問題になっているテーマが対象となります。ただ、興味の無いものは困るので、まず私が幾つかのテーマを候補として示し、ゼミ生が投票して、その中から人気のあるテーマを選んで討論することにしています。」
●先生からみた学生はどうですか?
「大半のゼミ生はディベートの経験が無いので、初めは発言に消極的な人が多い。でも、ネットを検索したりグループで話し合ったりしているうちに、だんだん問題意識が高まってきます。英語のディベートは日本人にはなかなか難しいのですが、日本語から英語へと段階を踏んでいくことで、やりやすくなります。英語による発言は、多少不完全でも、ともかくコミュニケートできるようになることをめざしています。場数を踏んで体で覚えなくてはならない点は、スポーツと似ているでしょう。その意味で、教える側としては、テニスのコーチングにも重なる部分があるかもしれません。」
●先生はゼミを通して、学生にどんなことを学んでいってほしいと考えていますか?
「ゼミ生には、相手を上手に説得する技術を習得するだけでなく、いろいろな社会問題について、論理的に、多角的に考える習慣をつけてほしい。そうすれば、自分だけの狭い考えにとらわれず、多様な相手の立場を理解できるようになります。とくに、欧米など外国人と日本人との思考方法や価値観の違いに、学生さんが具体的なテーマを通じて気づいてくれると嬉しいですね。21世紀はグローバリゼーションの時代なのですから。」
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