2018/10/30

ジャーナリズム論:ゲストと語る「家族」「いのち」そして「メディア」


「ジャーナリズム論」担当教員の松永です。

ジャーナリズムとは、たんにマスメディアの営為を指すのではなく「同時代を記録し、その意味について批評すること全体をさす」(鶴見俊輔、1965

誰もがソーシャルメディアを手にする現代において、ジャーナリズムをプロの仕事として眺め、「論じる」だけではきっと足りない。受講生自身がジャーナリズム「する」ことを意識して授業を組み立てています。

1025日の授業には、作家・セラピストとしてご活躍され、ネットニュースの編集や、社団法人・日本ジャーナリスト教育センター(JCEJ)の建ち上げにも携わったご経験のある田村真菜さんをお招きしました。

 ※講義に参加してくださった本学広報課の職員さんによる記事が大学HPで公開されています。

授業の柱は主に二つで、田村さんが問題提起されている「虐待・結婚・出産」について議論すること、メディアとの付き合い方について考えることです。

写真1:田村さんの講演「熊に食べられたかった私」

170人規模の教室で、いかにして双方向のコミュニケーションが可能かを考えた結果、次のような方法を試みました。ゲスト講義の前週で、田村さん自身が書かれた文章、メディアによって取材された記事およびテレビドキュメンタリーに触れ、田村さんへの質問や、授業で議論したい論点を受講生に書き出してもらう。それを編集して当日の配布資料にするほか、田村さんにもお渡しし、授業前半の講演という形で応えていただく。後半は、受講生数人にも登壇してもらい、パネルディスカッションを行うというものです。ちなみに、授業で受講生のコメントを公開するときは、実名かペンネーム(アカウント名といった方が今風?)かを各自が選択できる仕組みにしています。

写真2:パネルディスカッション「男とか女とか」

受講生が真剣に取り組み、田村さんが誠実に向き合ってくださったおかげで、当日は限られた時間ながら、活発な議論が展開できました。授業後に集めた感想は、熱量のこもった筆致でビッシリと綴られたものばかりで、壮絶な人生に裏打ちされた田村さんの言葉に深く感銘を受け、受講生同士刺激し合っている様子が伝わってきます。

視野を広げ、自分の思想を深めること、人と話し合うことは、「重要」というより「楽しい」!そう感じられる講義を今後も企画していければと改めて思いました。

また、授業内では話し足りないという声もあり、田村さんには午後の松永ゼミにも来ていただき、より親密な形で第二ラウンドを展開しました。田村さん、ありがとうございました。

写真3:ゼミでの第二ラウンド「親から自立する時」

11月の「ジャーナリズム論」は、海外紛争地での取材・報道経験のあるゲスト講師をお招きし、「遠く離れた世界について知ること」をテーマに議論する予定です。(私が)楽しみです。

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