授業で紹介した映画のベスト3を受講生に投票してもらいました。
その結果を発表します。
まず単純に1位に投票された数だけで順位をつけてみます(投票総数188票)。
1. ジェームズ・キャメロン監督「ターミネーター2 特別編」(1993) 29票
2. 新海誠監督「言の葉の庭」(2013) 26票
3. 今敏監督「東京ゴッドファーザーズ」(2003) 23票
4. 内田けんじ監督・脚本「運命じゃない人」(2005) 19票
5. ジェームズ・キャメロン監督 「ターミネーター」(1984) 18票
6. クリント・イーストウッド監督「ジャージー・ボーイズ」(2014) 17票
7. アンドリュー・ラウ/アラン・マック監督「インファナル・アフェア」(2002) 15票
8. 本木克英監督「超高速!参勤交代」(2014) 14票
9. ウェス・アンダーソン監督・脚本「グランド・ブダペスト・ホテル」(2014) 9票
10. 篠田正浩監督・山田太一脚本「少年時代」(1990) 5票
10. スティーヴン・スピルバーグ監督 「レイダース 失われたアーク」(1981) 5票
12. 押井守監督「機動警察パトレイバー 2」(1993) 4票
12. スコット・ヒックス監督「シャイン」(1996) 4票
14. 岡本喜八監督「日本のいちばん長い日」(1967) 0票
ベスト3を選んでもらったので、これだけでは、本当の順位はわかりません。単なる多数決は実情をあらわしていないとして、最近話題のベストセラー、坂井豊貴(著)『多数決を疑う—社会的選択理論とは何か』(岩波新書) で紹介されている「ボルダ・ルール」に従ってみましょう。
ボルダ・ルールとは選択肢に順位をつけさせ、1位なら3点、2位なら2点、3位なら1点と点数をあらかじめ定めておき、その総和が一番大きい選択肢を採用する方法です。
1位3点、2位2点、3位1点とします。すると、以下のような順位になります。上位4位までは変わりませんが、5位以下に変動が生じて、「ジャージー・ボーイズ」が上に上がってます。面白いですね。
1. ジェームズ・キャメロン監督「ターミネーター 2 特別編」(1993) 148点
2. 新海誠監督「言の葉の庭」(2013) 132点
3. 今敏監督「東京ゴッドファーザーズ」(2003) 129点
4. 内田けんじ監督・脚本「運命じゃない人」(2005) 115点
5. クリント・イーストウッド監督「ジャージー・ボーイズ」(2014) 113点
6. ジェームズ・キャメロン監督 「ターミネーター」(1984) 108点
7. アンドリュー・ラウ/アラン・マック監督「インファナル・アフェア」(2002) 101点
8. 本木克英監督「超高速!参勤交代」(2014) 78点
9. ウェス・アンダーソン監督・脚本「グランド・ブダペスト・ホテル」(2014) 63点
10. 篠田正浩監督・山田太一脚本「少年時代」(1990) 42点
11. スティーヴン・スピルバーグ監督 「レイダース 失われたアーク」(1981) 40点
12. スコット・ヒックス監督「シャイン」(1996) 24点
13. 押井守監督「機動警察パトレイバー 2」(1993) 20点
14. 岡本喜八監督「日本のいちばん長い日」(1967) 4点
「表現と批評」(桜井哲夫担当)2005年—2015年 上映作品リスト
コミュニケーション学部の名物講義「表現と批評」は、学部創設時の1995年から続いてきた講義です。日本は不合理な映画興行システムのために入場料がバカ高い国です。欧米では1000円以下でロードショーを見ることができるのに、興行システムの歪みのため、学生が映画を見なくなってきた状況を憂えた教員たちが、大きなスクリーンで映画をみせよう、とこの講義を考えつきました。
最初は、三人くらいの教員の分担でしたが、何年か後から桜井が、ずっと一貫して担当してきました。上映用のDVD、Blu-rayは、すべて桜井の私物です(1400本以上のDVD、Blu-ray所有)。この講義は、毎回、上映した映像の批評文を提出させて成績評価をする講義です。毎回きちんと批評文を書いていれば、知らず知らずのうちに、文章表現力が身につきます。
さて、あなたがたは、この10年間の映画(2006年度は、研究休暇のためお休み)をどのくらい知っていますか? 過去に見たことのある映画はありますか? 2回上映している映画もいくつかあります。さてどれでしょうか?
2005年
1 スクール・オブ・ロック(アメリカ、2003年)
2 スウィングガールズ(日本、2004年)
3 冒険者たち(フランス、1967年)
4 砂の器(日本、1974年)
5 ガタカ(アメリカ、1997年)
6 風の谷のナウシカ(日本、1984年)
7 用心棒(日本、1961年)
8 モーターサイクル・ダイアリーズ(アメリカ=イギリス、2003年)
9 薔薇の名前(フランス・西ドイツ・イタリア、1986年)
10 お熱いのがお好き(アメリカ、1959年)
11 大いなる西部(アメリカ、1958年)
12 霧の中の風景(ギリシャ=フランス、1988年)
2007年
1 ニッポン無責任野郎(日本、1962)
2 時をかける少女(日本アニメ、2006)
3 炎のランナー(英国、1981)
4 父親たちの星条旗(米国、2006)
5 硫黄島からの手紙(米国、2006)
6 ゆれる(日本、2006)
7 太陽がいっぱい(フランス、1960)
8 青春デンデケデケデケ(日本、1992)
9 リトル・ダンサー(英国、2000)
10 ジャッカルの日(米国、1973)
11 ニュー・シネマ・パラダイス(イタリア、1989)
12 麦秋(日本、1951)
2008年
押井守の世界
1 「うる星やつら 2 ビューティフル・ドリーマー」1984年
2 機動警察パトレイバー the Movie 1989年
3 機動警察パトレイバー 2 the Movie 1993年
4 攻殻機動隊 GHOST IN THE SHELL 1995年
5 イノセンスINNOCENCE 2004年
6 攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX The Laughing Man 2005年
7 攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX Individual Eleven 2006年
8 人狼 JIN-ROH 2000年
9 アヴァロン AVALON 2001年
10 『ヱヴァンゲリヲン新劇場版・序』(庵野秀明監督、2007年)
11 「鉄コン筋クリート」(マイケル・アリアス監督 原作:松本大洋、2006)
2009年
1 アフタースクール(日本、2008年)
2 それでもぼくはやってない(日本、2007年)
3 AKIRA(日本、1988年)
4 たそがれ清兵衛(日本、2002年)
5 少年時代(日本、1990年)
6 ハッピーフライト(日本、2008年)
7 がんばっていきまっしょい(日本、1998年)
8 のど自慢(日本、1998年)
9 キッズ・リターン(日本、1996年)
10 天空の城ラピュタ(日本、1986年)
11 雪に願うこと(日本、2006年)
12 ALWAYS 三丁目の夕日(日本、2005年)
2010年
1 新海誠の世界「ほしのこえ」(2002年)「秒速5センチメートル」(2007年)
2 「ディア・ドクター」(日本、2009年)
3 「グッド・ウィル・ハンティング」(米国、1997年)
4 「ショーシャンクの空に」(米国、1994年)
5 「サマーウォーズ」(日本アニメ、2009年)
6 「北京ヴァイオリン」(中国、2002年)
7 「グラン・トリノ 」(米国、2008年)
8 「ほくらはみんな生きている」(日本、1992年)
9 「遠い空の向こうに」(米国、1999年)
10 「さよなら子供たち」(フランス、1987年)
11 「ザ・コミットメンツ」(アイルランド・英国、1991年)
12 「トキワ荘の青春」(日本、1996年)
13 「遙《はる》かなる山の呼び声」(日本、1980年)
2011年
1960年代の映画を読み解く
1. A HARD DAY’S NIGHT(英国、1964年)
2. 地下鉄のザジ(フランス、1960年)
3. 乾いた花(日本、1964年)
4. メリー・ポピンズ(米国、1964年)
5. 冒険者たち(フランス、1967年)
6. 天国と地獄(日本、1963年)
7. 卒業(米国、1967年)
8. 「男と女」(フランス、1966年)
9. 砂の女(日本、1964年)
10. ロシュフォールの恋人たち(フランス、1967年)
11. 明日に向って撃て(米国、1969年)
12. サウンド・オブ・ミュージック(米国、1965年)
2012年
日本アニメ史の試み
1. 『白蛇伝(はくじゃでん)』 (1958年)
2. 『太陽の王子 ホルスの大冒険』(1968年)
3. 『銀河鉄道999 (The Galaxy Express 999)』(1979年)
4. 『ルパン三世 カリオストロの城』(1979年)
5. 『風の谷のナウシカ』(1984年)
6. 『AKIRA』(1988年)
7. 『機動警察パトレイバー 2』(1993年)
8. 『ヱヴァンゲリヲン新劇場版・序』(2007年)
9. 『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』(2009年)
10. 『千年女優』(2002年)
11. 『秒速5センチメートル』(2007年)
12. 『時をかける少女』(2006年)
13. 『東のエデン 総集編Air communication』(2009年)
14. 『となりのトトロ』(1988年)
2013年
1. 塩田明彦「どこまでもいこう」(1999)
2. 吉田大八「桐島、部活やめるってよ」(2012) スピンオフ短編「宮部実果」
3. 庵野秀明「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q」(2012) 「巨神兵、東京に現わる」
4. 細田守「おおかみこどもの雨と雪」(2012)
5. ブライアン・ヘルゲランド「ロック・ユー! 」(米国、2001)
6. ジャコ・ヴァン・ドルマル「トト・ザ・ヒーロー」(ベルギー・仏・独合作1991)
7. 山下敦弘「天然コケッコー」(2007)
8. マイケル・アリアス 原作:松本大洋「鉄コン筋クリート」(2006)
9. エリック・トレダノ、オリヴィエ・ナカシュ「最強のふたり」(フランス2011)
10. ロマン・ポランスキー「ゴーストライター」(仏・独・英、合作2010)、
11.新海誠「言の葉の庭」(2013)
12.沖浦啓之「人狼」(2000、原作・脚本:押井守)
13.小津安二郎「東京物語(ニューデジタルリマスター版、2013)」(1953)
14. ミロス・フォアマン「アマデウス(完全版)」(米国、1984、Blu-ray完全版、2013)
2014年
1.「SHORT PEACE」(日本、大友克洋ほか,2013)
2.「ミッドナイト・イン・パリ」(米国、2013)
3.「ミラーズ・クロッシング」(米国、1990年)
4.「魔法少女まどか☆マギカ(前編)」(日本、2012年)
5.「魔法少女まどか☆マギカ(後編)」(日本、2012年)
6.「魔法少女まどか☆マギカ 新編」(日本、2013年)
7.「ピンポン」 (日本、2002年)
8.「海の上のピアニスト」(イタリア、米国、1999年)
9.「雨に唄えば」(60周年デジタルマスター版、米国、1952年)
10.「ダイ・ハード」(米国、1988年)
11.「鍵泥棒のメソッド」(日本、2012年)
12.「イル・ポスティーノ」(イタリア、1994年)
2015年
1.「運命じゃない人」(日本、2005年)
2.「ジャージー・ボーイズ」(米国、2014年)
3.「機動警察パトレイバー 2」(日本、1993年)
4.「グランド・ブダペスト・ホテル」(英国・ドイツ合作、2014年)
5.「超高速!参勤交代」(日本、2014年)
6.「ターミネーター」(米国、1984年)
7.「ターミネーター 2 特別編」(米国、1993年)
8.「少年時代」(日本、1990年)
9.「レイダース 失われたアーク」(米国、1981年)
10.「シャイン」(オーストラリア、1996年)
11.「東京ゴッドファーザーズ」(日本、2003年)
12.「言の葉の庭」(日本、2013年)
13.「インファナル・アフェア」(香港、2002年)
14.「日本のいちばん長い日」(日本、1967年)
桜井哲夫
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