せっかくだから、記念すべきシェイクスピア没後400年にあたる今年の夏は、シェイクスピアをちょっと体験してみませんか。
シェイクスピアの「夏の夜の夢」(A Midsummer Night’s Dream)の「夏」(Midsummer)は夏至のことだ、などと無粋なことは言わず、『夏の夜の夢』を観て、読んで、楽しみながら夏を過ごしてみるのも悪くない。
シェイクスピアはどれもそうだが、できれば「シェイクスピア初体験」は舞台から始めるのが一番。
ちょうど8月(4日-21日)には、劇団「柿食う客」が「女体シェイクスピアシリーズ008」として、「艶情☆夏の夜の夢」を上演します(吉祥寺シアター)。
すべての役を女優が演じるこのシリーズは、その発想の豊かさと舞台の美しさに驚くことばかりで、特に高校生のみなさんならば、シェイクスピアはもちろん、演劇の面白さや楽しさを十二分に満喫できるはずです(詳しくは劇団のサイト:http://kaki-kuu-kyaku.com/next.html)。
うれしいことに、学生向け、高校生向け料金が設定されています。
学生 2,600円、なかよし学生割り 1,800円。高校生 1,800円、なかよし高校生割り 1,000円。
舞台を観たら(観なくても)、今度は映画を観てみましょう。
マイケル・ホフマン監督「真夏の夜の夢」。
森の中で妖精たちが巻き起こす奇想天外な出来事の連続に、二組の恋人たちはどうなるのか、少しハラハラしながら、でも笑いながら楽しめるのが、1998年のアメリカ映画です。
シェイクスピアだからと言って堅苦しく考えないで、字幕でも吹き替えでも良いので、近くのレンタルの店で借りてきて、夏の夜を過ごしてみてください。
さて、舞台や映画を観て、面白いかもしれないと思ったら、今度は実際に読んでみるとよいでしょう。
少し大きめの本屋さんに行けば、たいてい2、3種類の「夏の夜の夢」が置いてあります。図書館ならば数種類はあるはずです。そうすると、どれがよいのか悩みそうですが、これは100%好みの問題。最初の2、3ページをパラパラっと読んでみて、読みやすいと感じたものを選びましょう。
舞台や映画を観た後で読んでいると、今読んでいる場面がどんな風に演じられていたのか思い出すことがよくあります。舞台や映画を作る人たちの想像力と創造力に改めて感心することもあるでしょう。同じセリフや場面でも、いろいろ解釈できることを実感するかもしれません。
そう、答えは一つではないのです。読む人によって作品の印象も変わって当たり前。あなたの感想は、ほかの人と違うかもしれないけれど、そんな違いを友人や家族と共有することも、シェイクスピアを観たり読んだりすることの楽しみの一つです。
次のシェイクスピアのお祝いは生誕500年にあたる2064年です。かなり先の話になります。せっかく没後400年にあたる2016年に生きているのですから、今年はシェイクスピアの「夏の夜の夢」を楽しむ夏にしませんか。
翻訳のお薦めは次の3冊。
・河合祥一郎訳(角川文庫)
・松岡和子訳(ちくま文庫)
・小田島雄志訳(白水社)
(南 隆太)
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