2018/01/29

2017 年度 コミュニケーション学部 優秀卒業制作・卒業論文発表会 (2/1)

 今年度も学部の優秀卒業制作・卒業論文として、指導教員の推薦を得たものの発表会を行います。どなたでも参加できますので、ふるってご参加ください。
 この中から後日の教員投票により最優秀賞を選び、卒業式の日に発表と表彰式を行います。

【日時】2018 年 2 月 1 日(木)13:00-17:00
【場所】東京経済大学 国分寺キャンパス 6号館3階 F308 教室
【最寄駅】JR 中央線・西武国分寺線・多摩湖線 国分寺駅(徒歩 12 分)
 アクセス案内:http://www.tku.ac.jp/access/kokubunji/

【プログラム】
 1.始めの挨拶
 2.優秀卒業制作・卒業論文発表
  • ドラえもん のび太の音楽選好の心理学(制作)
  • ロックンロールの歩みと芸術(論文)
  • 企業の公式インスタグラムの情報拡散力-スターバックスを事例として-(論文)
  • 大学生におけるアルバイト意識と学習意欲との関係性(論文)
  • メディアの娯楽化:テレビニュース番組における変容とそのあり方(論文)
  • 現代のラジオ聴取について~テレビやインターネットが登場しても生き残るラジオの魅力とは~(論文)
  • だから私はタトゥーをいれる-現代日本のタトゥー事情(論文)
  • 成長を続けるテレビ通販市場(論文)
  • 結婚支援のありかた おせっかいから生まれる幸福(論文)
  • 社会心理学から考察する体感型技術がもたらすメディア概念の変容について(論文)
  • 日帰り型市民農園の利用状況にみる地域性 群馬県高崎市と東京都小金井市の事例から(論文)

 3.発表者以外の優秀卒業制作・卒業論文賞受賞作の紹介
 4.終わりの挨拶

 ※ 優秀卒業制作・卒業論文発表では途中休憩をはさみます。

過去の発表会のブログ記事は以下に: [2016年度] [2015年度] [2014年度] [2013年度] [2012年度]

2018/01/28

桜井哲夫先生 最終講義

2018年1月22日に,コミニュケーション学部教授 桜井哲夫先生の最終講義が行われました. http://www.tku.ac.jp/news/020319.htm

「私のサブカル史より」と題された講義ではまず先生の研究史を,当時の関心とその結果としての代表的な著作の成り立ちを中心として,初期の公教育をめぐる議論から直近の一遍に関する論考まで紹介されました.

続いて「戦後漫画の原像」と題されたパートでは,2015年のご著作『廃墟の残響』(NTT出版)にもとづき,水木しげるらのような戦争や引き揚げを体験した漫画家以降,『進撃の巨人』のような現代の作品にいたるまでの戦後漫画作品に通底する破滅や廃墟のイメージに関する考察が論じられました.この著作成り立ちの背景にあった,先生ご自身の東日本大震災体験もあわせ語られています.

最後に,これまでの桜井ゼミの成果である卒業制作の各年の映像集が映写されました.あいにくの大雪の日であったこともありかなり端折りながらのダイジェストでしたが,来場した卒業生にとっても思い出深いものだったと思います.先生への花束贈呈と来場者全員による記念撮影で締めとなりました.





 


これまでブログで紹介した桜井先生の”名物講義”です.

2013年度「戦後マンガ史の試みから」
2013年度 『COM』の「ぐら・こん」から
2013年度「表現と批評2013」受講生が選ぶベスト映画
映画で「表現と批評」〜2004年—2013年 上映作品リスト
2014年度「日本マンガ論」から
「表現と批評」2004年-2014年 上映作品
2014年「表現と批評」私のベスト3
2015年度の目玉授業 2「戦後史のなかの日本マンガ」
2015年度の目玉授業 3「テレビ文化論」
2015年度「表現と批評−映画を批評する」映画投票
2016年度 追加講義「新海誠の世界」のお知らせ
2017年度【名物講義紹介:表現と批評】
2017年度【名物講義紹介:表現と批評】vol.2

桜井先生,ほんとうにお疲れさまでした.

2018/01/23

キャリアデザイン入門:ソニー生命によるライフプランニング授業


コミュニケーション学部の小山健太です。

「キャリアデザイン入門」は学部1年生の履修必修授業です。この授業の目的は、ライフキャリアの視点から、「大学での学び」を「卒業後の仕事人生」につなげていく意識を高める授業です。

124日の授業では、ソニー生命保険株式会社にご協力いただき、『ライフプランニング授業〜30歳の自分を考えよう〜』を実施しました。

ライフプランニング授業の特徴は、家計の収入と支出についてシミュレーションしながら、お金という観点からキャリアを具体的に考えられることです。

今回は4人家族を例にシミュレーションしました。家族構成は、会社員の東経太郎さん(30歳)、専業主婦の東経花子さん(30歳)と、まなぶ君(1歳)、あかりちゃん(0歳)です。

ライフプランのいくつかの項目は、学生の意見で決めていきます。今回の設定は「教育費」は2人の子どもがともに私立大学(文系)に進学、「住まい」は戸建てを購入、「自動車」はファミリータイプを購入、「家族旅行」は毎年の国内旅行ということになりました。

そして……、シミュレーション結果は、なんと生涯で大幅な赤字に!! そこで、さまざまな見直しをしていきます。妻が仕事をしたり、旅行に行く回数を減らすと、収支を大きく改善することができました。

最後に、講師の濱﨑氏から、人生を計画することの重要性と同時に、夢を持ち続けることの大切さについてお話しいただきました。

学生の感想では、「自分の人生でやりたいことと、自分の収入をよく考えて、計画を立てることが重要だと思った。親がどれだけ自分にお金をかけてくれたのかがわかり、ありがたみを感じたし、お金の使い方を見直そうと思った」という声も。

「お金のために働く」ということでは息が詰まります。でも、お金のことを考えずにキャリアをつくれないことも事実です。お金という観点から現実的・客観的に人生を考えることで、有限な資源をもとに自分らしいキャリアをデザインできるようになります。また、学生は今回のシミュレーションを通じて、いま大学で勉強できているのはご両親の多大な努力があってのことだと、自分の置かれている状況について理解を深めていました。

今回のゲスト講義は、お金とキャリアとの関連性を学ぶだけでなく、学生の自立心を向上させ、主体的に自分のキャリアを考える必要性に気づく貴重な機会になりました。


さまざまなライフプランイベントを学生の意見をもとにシミュレーション




ソニー生命保険株式会社の濱﨑祐一氏

2018/01/20

大学外での教員の仕事

この度,コミ部で学部長を務める柴内さんが電通総研のフェローに就任することが発表されましたMarkeZineニュース)

以下,電通ニュースリリースからの抜粋です.
http://www.dentsu.co.jp/news/release/2017/1220-009417.html
株式会社電通(本社:東京都港区、社長:山本 敏博)の社内シンクタンク電通総研(所長:丸岡 吉人)は、2018年1月から「よい社会づくりに貢献するために、コミュニケーションとマーケティングの領域で安全な議論の場を提供すること」を新しいミッションとして掲げ、船出いたします。
新生「電通総研」は、客観的な正解がない現代社会の問題を解決するには、関係者が集まって状況を理解し、課題を共有した上で議論を尽くす必要があるものの、今はそのような場が不足していると考えました。 
そこで、社内メンバーおよび外部の有識者計15名を電通総研フェローとして選任し、彼らによる自由闊達な意見交換の場を設定することで、社会が抱える諸問題の解決に貢献していくことを目指します。議論の成果は、フェロー自身による情報発信や提言、実践に反映されるほか、電通総研主催のシンポジウムなどを通して公表していく予定です。

その柴内さんに内容を説明してもらいましょうではどうぞ→

柴内です。大学教員の主な仕事は教育と各自の研究、そして大学の運営ですが、関連する仕事を大学の外ですることもあります。私の場合は講師や委員など、専門でしている研究に関係し、また自分の大学、とりわけ学生の教育に役に立ちそうなものについて依頼をいただいた場合、時間が許すようならお引き受けすることにしています。

今回は、広告代理店の電通の中にある研究機関(シンクタンク)の議論に、外部から参加する依頼をお引き受けしました。

この電通総研は30年ほど前、1987年に開設された歴史ある組織です。私自身もその生み出すデータや報告書にこれまでお世話になってきました。今回は機構改革でフェロー(特別研究員、といった意味です)15人を中心とした議論を行う場とすることになり、そこに私も関わるというものです。コミュニケーションとマーケティングを通じて、どのようにしたらよい社会を作ることができるか、という大きなテーマのもと、各フェローが話題提供をしながら自由に議論していきます。私たちコミュニケーション学部のミッションに関係しているところも大いにありそうです。

コミュニケーションの世界が激変していることは、ソーシャルメディア、あるいはAI、VR、IoTといったテクノロジーの発展により日々感じられるところです。また、平行して社会自体の大きな変化にも私たちは直面しています。一例を挙げれば少子高齢化と、それにともなってもはや避けられない人口減少でしょう。これらが生み出しているさまざまな社会問題も明らかになりつつあります。企業が商品やサービスを提供するあり方も大きく変わるかもしれません。一方で、さまざまにある問題を解決しいかに社会をよくしていけるのかについて、明確な方向が見えているわけではありません。問題の解決にあたって、先のコミュニケーションテクノロジーは重要な役割を果たすでしょうが、それ自体に含まれる問題も指摘されています。

フェローの方々はそれぞれ、コミュニケーションとマーケティングの世界の第一線で活躍されています。私はといえば何とも心もとないのですが、大学を卒業して以来の研究活動の中で、インターネットの発展にともなう人々のコミュニケーション行動のありよう、あるいは最近では人間関係のあり方や格差の問題など、いわばよい社会とは何かということに関わる仕事をしてきた部分があり、それで依頼をいただいたのだと思います。

すでに議論は始まっていますが、気づきやアイディアに目を開かされることがたくさんあります。刺激も受けながら考えを深めて自分の研究活動につなげ、ひいては学生のみなさんにも最新の考察を提供するといった形で成果を還元できればと考えています。

2018/01/15

【学問のミカタ】今を、少し遠くから眺めてみよう:自己採点中のあなたへ



こんにちは。メディア史、ジャーナリズム論担当の松永です。
センター試験が終わり一夜が明けました。受験生の皆さん、二日間お疲れさまでした。息つく間もなく、自己採点、出願、各試験の勉強が始まり、心休まらない日々をお送りかと思います。

私もかつては受験生。センターがうまくいった人はその喜びを、失敗した人はその悔しさを表に出さぬよう押し殺した(しかし、しばしば漏れてしまう)悲喜こもごもの教室で、「一人になりたい」と思いながら自己採点をした、寒い、冬の日のことを思い出します。しんしんと雪が降っていました。
センターの時期、九州ではいつも山茶花が見頃です。受験生の頃は気づかなかったけれど。

試験の点数というものは、とてもクリアです。(そして時にシビアです。)目が大きくなったり色白になったりして、ホンモノよりちょっと可愛く映るプリクラやカメラアプリとは違い、後から水増しすることはできません。結果はありのまま、数字で出てきます。まずはそれを受け入れる必要があり、皆さんはその只中にいらっしゃるというわけです。

しかし考えてみれば、現実社会の場合、この、ありのままを見る、ということがとても難しい。私たちの周りに溢れる情報は、自分自身の目で見て、耳で聞いて確認したもの(ホンモノ)よりも、メディアを介して入手するもの(プリクラ)の方が圧倒的に多いからです。週末のセンター試験「地理B」で、アニメキャラクター「ムーミン」の出身地を尋ねる問題が出題されたとネット上で話題になりました。言わずもがな、この問題を実際に試験場で目にした人はごくわずかでも、メディアで取り上げられSNSで拡散されることで「現実」となり、私たちの生きる環境を形成しているのです。

だとすれば、メディアのあり方を調べることは、私たちがどのように現実を見ているのかを知ることにもつながります。トケコミでは、メディアと社会、コミュニケーションについて、さまざまなアプローチで研究することができます。

Paul Gauguin. Where Do We Come from? What Are We? Where Are We Going?
1897-1898 © 2009 Museum of Fine Arts, Boston.

私の主たる担当科目は「現代メディア史」「比較メディア史」で、コミュニケーションの変容をメディアとの関係において講義しています。歴史に学ぶ、というと、何かしら現代に応用可能な教訓を得るものと捉えられがちですが(戦争の過ちを繰り返さない、など)、それだけではありません。私たちはどこから来て、どこへ行くのか。過去との連続性のなかで現在を理解し、未来について考える訓練もまた、重要な歴史からの学びだと思います。

昨年で創刊120周年を迎えた英字新聞the Japan Timesを研究して来た私自身、その出発点は「今」への疑問でした。なぜ日本には、「英語でJAPANを発信する」という趣旨の学習教材が(他国と比較して)多いのだろう。相互理解というより、一方的に語る「発信」に力点が置かれているような気がするし、その相手も、中身も、どこかステレオタイプ。こうしたコミュニケーション様式は、どのようにして形成されてきたのだろうと考えたとき、一つの起源として着目したのが、在留外国人に向けた「日本人による英字新聞」として1897年に発刊されたthe Japan Timesでした。

明治以来、the Japan Times記者には在留西洋人に日本を「正しく」説明したい、という理念が共有されてきたこと、それらの記事が日本人読者の教材となり、英語を使うときの規範として発展してきたことを確認しました。一方で、新聞の読者欄には「日本人」「西洋人」に留まらない多様な文化的背景を持った人々が投書し、議論を交わしていたことも発見し、英字新聞のようなメディアが、相互理解に向けたコミュニケーションの場として機能する可能性も見出しました。過去から現在を照らしてみれば、英語による発信が、古くて新しい課題であることがわかります。


193182日付 日本の作法、武道などの文化紹介記事の展示より
The Japan Times創刊120周年記念企画展「英字新聞が伝えた『日本』」日本新聞博物館 201712月)

私たちはしばしば、ある特定の枠組のなかで現実を見がちです。そしてその窮屈なものの見方に、知らずして捕らえられていることがあります。歴史に限らず、大学で学ぶ目的の一つは、その枠組を解体し、新しいものの見方を得ることにあるのではないでしょうか。学問は自由になるためにある、と私は考えます。センターで泣いた人も、笑った人も、きっとその道に通じる受験勉強を、今日からまた、頑張ってください!ご健闘をお祈りしています。