高田渡の歌に「値上げ」という曲があります(作詞有馬敲、作曲高田渡)。ご存知ですか?
冒頭の歌詞は「値上げはぜんぜん考えぬ」。
ところが、おしまいは「値上げにふみきろう」。
この落差は? この間でいったい何が起きたのでしょうか。実際の歌詞を見てみましょう。どうですか?
ある行と、その次の行との間に大きな違いは見当たりません。
ところが、それが繰り返されて行く間に、最初考えられていなかった値上げが、結局、実施されることに決まってしまいます。
ここには、コミュニケーションのある説得技術が用いられています。
説得コミュニケーションについて、詳しく知りたい人にお勧めしたいのが、チャルディー二の書いた本です。
「説得」は、実にいろいろな場面で行われています。
1000円で売りたいと思ったとき、最初、高めの価格、例えば1500円でどう?と勧める。それはちょっと、となったら、じゃあ、残りもわずかだし、売ってしまいたいから1300円でどう、と応える。それでも高い? じゃあ、損を覚悟で1000円にしちゃおう。雨の日に来てくれたから、困った振りをしながら「雨の日サービス」。はい、1000円ちょうどでいいよ。じゃあ、1000円でいいの? はい(ニコッ)。
説得の仕組みを知ることで、意に添わない説得にも対抗できるようになります。
0 件のコメント:
コメントを投稿